ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 無実

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ハヤカワ・ミステリ文庫
無実

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151759024
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ベストセラー作家となった男の前に、彼の娘と名乗る若い女クロエが現れる。男はクロエの魅力に取り憑かれ……。誘惑のサスペンス

ジョン・コラピント[コラピント ジョン]

横山 啓明[ヨコヤマ ヒロアキ]

内容説明

盲目の私立探偵のシリーズを細々と書き継いできた作家のウルリクソンは、これまでベストセラーとは無縁だった。だが、車椅子生活の妻と幼い娘との日々を描いた自叙伝が思いもかけないヒットとなり一躍時の人に。そんなウルリクソンのもとに一通の封書が届く。それはかつて関係を持った女性の娘が、彼の実の娘だとの法的申し立てなのだが…。堕ちていく作家の葛藤と家族の固い絆を描き、全米を論争に巻き込んだ問題作!

著者等紹介

コラピント,ジョン[コラピント,ジョン] [Colapinto,John]
1958年、カナダのトロント生まれ。ジャーナリスト、小説家。雑誌“ニューヨーカー”の常勤ライター。2001年に発表したデビュー長篇『著者略歴』(ハヤカワ文庫)は、新人としては異例の高評価を受けた

横山啓明[ヨコヤマヒロアキ]
1956年生、早稲田大学第一文学部演劇学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

59
ある意味、危険であると同時にコミカルな作品だった。前半と後半で随分印象が変わっていて、前半はウディ・アレンの映画を観ているようであり、ノボコフ「ロリータ」を多分に意識しているような印象だった。後半は一種のクライム・ノベルでありミステリーとしても充分の楽しめる小説だと思った。二流の作家がある作品でヒットして有名になったところである人物が、かって関係を持った娘だと法的な申し立てを求めてくる。主人公のウルリクソンの葛藤だけで全編を持たせてしまう感じ。良くも悪くも事件に翻弄されるウルリクソンに哀れを感じた。2016/09/16

こーた

35
すべてを知っているのは、本を読んでいるわたしたちだけなのである。だから登場人物の行動がもどかしく、「志村うしろ!」とおもわず教えてあげたくなる。そうやって興奮し、いちいちツッコミを入れながら読んでいるから、もっと大きな伏線を見逃す。全部見知っていたはずなのに、最後の最後で、何も見えていなかったことに気づかされて、驚愕する。まず見せる。そして焦らす。より大胆に。ときに繊細に。それは老獪なマジシャンのようで、さながらヒッチコック映画のよう。サスペンスとは何か。そのお手本のような小説。2016/12/31

ロア

35
「表紙がかっこいい!分厚くて読み応えありそう!」という理由で手に取った本書。実はアメリカ本国では40もの出版社に断られ続けたという曰く付きの大問題作だったということを、読了後に解説を読んで知りました。デビュー作が大絶賛されたのに2作目は異例の受入拒否の嵐。41社目にしてカナダの出版社から、その後やっとアメリカの出版社から刊行されたとの事で、私は物語として純粋に存分に楽しんだけど確かにある種の人達をヒステリックにさせる面もある事は否めない。けど、そんな人達を満足させる為に出版自粛とかならなくて良かった〜。2016/07/29

本木英朗

35
小説として描かれる犯罪の悪辣さにここまで憤りを感じ、そして読者の無力さを味わったのは稀有の体験だ。唾棄すべき存在としての犯人。彼の狡猾な知恵と無慈悲な偶然により進行する破滅への序曲。彼の笛に踊らされる二人の男女には、その愚かしさへのいら立ち以上に、人の心理の脆さと危うさに感じ入る他ない。「家族の絆と愛情」が、この作品ではあまりにも無情に嘲笑される。だからこそ、その重要性を噛みしめることにもつながるのだが。全米で激論を生じさせた問題作ということが納得の読後感だ。読もうとするなら、十分な覚悟を持つべきだろう。2016/07/23

あっちゃん

27
翻訳ものなのに、文章自体は読みやすい!かといって、内容が読みやすいかと言えば、それは違う(笑)普段私が好んで読む血みどろな話とは違い、陰謀的な辺りがモヤモヤをずっと引きずり、さっさと読み終えなくてはスッキリしない!という事での、ページをめくる手が止まらないというタイプ!で、読み終えてスッキリしたかというと、それも微妙(  ̄▽ ̄)2016/10/09

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