内容説明
オレンジ出荷工場の廃屋で、首を切り落とされて殺害されたジャニル。幼い頃の彼女を知るベッカー家の三兄弟は、それぞれの立場で事件の闇に踏みこんでいく。ニックは捜査を指揮する刑事として。アンディは取材にあたる記者として。デイヴィッドは彼女を助けていた牧師として。ジャニルの、そして少年時代の記憶をたゆたいながら、やがて見つけた真相は―二度目のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞に輝いた感動作。
著者等紹介
パーカー,T.ジェファーソン[パーカー,T.ジェファーソン][Parker,T.Jefferson]
ロサンジェルス生まれ。カリフォルニア大学アーヴァイン校で英文学を専攻する。1976年に卒業後、新聞記者として働き、オレンジ郡記者クラブの賞を3度受賞した。その傍ら執筆を始め、1985年に処女作を発表。その後、第9作の『サイレント・ジョー』(2001年)でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞に輝く。さらに『ブラック・ウォーター』(2002年)『コールド・ロード』(2003年)と作品を発表しつづけ、2004年の『カリフォルニア・ガール』でふたたびMWA賞最優秀長篇賞を受賞
七搦理美子[ナナカラゲリミコ]
津田塾大学国際関係学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はやっしー
11
ジャニルという19歳の美しい女性がオレンジ出荷工場の廃屋で首を切り落とされて殺害された事件を軸に、事件の捜査担当になった刑事ニックや彼の家族のベッカー一家、ジャニルの家族ヴォン一家、また彼らを取り巻く人々や環境を描いた作品。一応、ミステリーの形を取って最終的に真犯人を逮捕するんだけど、単なるミステリー小説というよりベッカー家物語という感じ。でもこれは連ドラ化すると面白いと思う。ニックが相棒とメキシコまで容疑者を追いかけたシーンはドキドキしたし、登場人物に人間臭さがあるのが魅力的。2016/04/03
のりべぇ
3
南カリフォルニアで1968年10月に若く美しい女性が殺された。それを捜査するのが殺された少女の知合いで初めて指揮を執るニック・ベッカー。 物語は36年後の現在に、すべて間違っていた、との発言から始まる。結構素直に間違っていた結果に落ち着く。が、物語のメインはミステリではなく、その時代に生きた人間を描くことであった。 話に入るまでに時間がかかったが、徐々にハマっていった… 読書後は寂寥感がたまりません。2017/09/08
mesu
2
面白かった( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆評価★★★★☆(最高★5)2013/02/22
satooko
2
ドラッグ、同性愛、売春、貧困、宗教、ロックとアメリカ社会の問題をすべて網羅しつつ、やはり家族愛へと集約されていく。今作はサイレント・ジョーほど魅力的キャラクターはなく、みなほどほどに人間味溢れる登場人物という印象。ただ構成・プロットはより錬られている。2009/10/22
たみき/FLUFFY
2
家だけで読んでいた本だったので、1ヶ月近くもかかった。この明るさ満点ぽいタイトルからは、想像できない程暗いストーリー展開だけど、とてもしっかりした構成の作品。ミステリーというよりも、ある家族を中心としたアメリカの歴史物語と言った方がいいかも。それにしても、デヴィッドの秘密にはびっくりだったよ。2008/08/21