内容説明
英国の片田舎ブリンバレーは不穏な空気に包まれていた。別荘荒らしが頻発し、教会の献金箱からは金が奪われ、疑惑の人物マックモリス少佐も一大轟音とともに大爆発し空高く舞いあがった自宅のなかで死亡した。三つの事件に繋がりはあるのか?少佐の爆死に、かつて爆弾による謎の死を遂げた夫との関わりを感じた聖歌隊の指揮者リズは、息子ティムと非道な犯人を探しはじめるが…巨匠による傑作が待望の文庫化。新訳版。
著者等紹介
ギルバート,マイクル[ギルバート,マイクル][Gilbert,Michael]
1912年イギリス・リンカシャー生まれ。ロンドン大学を卒業後、第二次世界大戦に従軍する。47年に本格ミステリClose Quartersで作家デビュー、51年に『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』のアンケートでアガサ・クリスティーが世界推理小説家ベストテンの一人に彼の名を挙げ、一躍脚光を浴びた。その奇抜な作風は英米の読者より絶大な支持を受けている。1987年にはアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、94年にはイギリス推理作家協会賞ダイヤモンド・ダガー賞を受賞した
熊井ひろ美[クマイヒロミ]
東京外国語大学外国語学部英米語学科卒 英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
18
英国のミステリ作家、マイクル・ギルバートの初期の長編作品が、これである。俺は2005年に一度買って読んだっきりだったので、今回で2回目である。が、しかしちょっと今回は途中から混乱してしまったようである。それでも一応、最後まで読んだけども、半分くらいしかわかってないような。『捕虜収容所の死』と比較すると、ちょっとなあ、という感じです。まあいいや、とりあえず以上かな。2019/08/05
紅はこべ
13
読みどころはラストの爆弾解除シーン。そこはドキドキもの。そこに至るまでは結構のんびりしている。2009/05/18
sosking
10
あとがきで、アガサ・クリスティがこの作者を絶賛していたと書いていた。他の作品を読んでみないと上手く評価できないなぁ。訳者の問題もあると思うが、読んでいて場面が上手く描けない事が多かった。話の内容はそんなに悪くはなかった。2022/11/05
Susumu Kobayashi
6
マイクル・ギルバートの初期の作品で、他の作品同様に主人公が危地に乗り込んで危うい目にあう。聖歌隊のメンバーであるマックモリス少佐に脅迫状が送りつけられ、その直後、彼は自宅で爆死する。のどかな村にはそぐわない物騒な事件に、地元警察のラック警部補は犯人を突き止めようとする。一方、マックモリスの自宅に飾ってあった写真から聖歌隊の指揮者リズは彼の正体を突き止める。彼女の頭にはかつてドイツで失った夫の爆死事件がかすめる。2018/02/20
正位置
2
イギリスの田舎町を舞台にしたミステリ。派手さや複雑さはなく、全体的ににこぢんまりとした感じの作品。郊外ののんびりした雰囲気がよくでているが、少々退屈に感じることも。探偵役を勤める母子を中心に、登場人物たちはいい感じを出している。 2009/09/03