内容説明
塗装工殺害事件の前から、リーバスはある事件を追っていた。1960年代にスコットランドを震撼させた伝説の絞殺魔バイブル・ジョンを思わせる連続殺人事件だ。ついに逮捕されることのなかった犯人が帰ってきたのか、あるいは模倣犯か?祈りしもリーバスがむかし担当した事件で、警察の内部調査が開始されることになる。四面楚歌の状況下、果たしてリーバスは…英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞の傑作警察小説。
著者等紹介
延原泰子[ノブハラヤスコ]
大阪大学大学院英文学修士課程修了、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
278
本書はやはり警察小説とするには、そこからの逸脱が大きいようだ。何よりも警察による組織だった捜査がここには見られないからである。むしろ、組織に収まり切れない主人公リーバスを描くことで、腐敗を含めて警察組織を逆照射することになったと言えそうである。ただ、小説全体の構成は重層的であり過ぎるために混沌をきたしかねないのも事実である。もっとも、その点にこそこのシリーズの真骨頂が求められるのかも知れないが。また、ここにはエディンバラをはじめとしたスコットランドが如実に描き出されているが、こんなスコットランドなら…。2017/05/10
遥かなる想い
189
正直期待はずれだった。 全般的に無駄な話が多く、 冗長な上に話が発散する… この物語のどこを英国では 評価したのだろうか? 下巻でも、リーバス警部は 執拗に伝説の絞殺魔バイブル・ジョン を追うのだが…的が なかなか絞れない中、 突如バイブルの視点が 交差する… リーバスの行動が 掴みにくく、推理が発散 しているような気がする。 終わり方も正直拍子抜けで はぐらかされた感が強い… そんな本だった。2015/08/14
ケイ
120
リーバスが他の刑事たちとする会話がいい。どれも思わず感心してニヤリとしてしまう。連続猟奇殺人事件が時代を越えて2つ、警官の汚職や北海油田の問題も絡め描かれていく。そして刑事たちの再生も。突き上げられても、殴られても、左遷されても、あきらめないという強い意志をもったリーバスの眼の鋭さが見えるようだった。アメリカの刑事物のようにむやみにタフガイでないのもいい。リーバス警部シリーズ8作目のこの作品で世界的になったようだ。全部で17作のうち、途中の4作と最終作以外は訳があるので、順に読んでいきたい。2016/05/04
扉のこちら側
71
2016年815冊め。【213-2/G1000】連続殺人事件2つに、北海油田問題に警察の腐敗と、複数の事件が絡むのでぼんやり読んでいると話の筋を見失いそうになる。雰囲気はよいのだけれど、若干詰め込みすぎだと思った。これがシリーズ8作目で主人公リーバスは50代だが、第1作ではまだ若いそうだ。シリーズ読みして主人公の成長…というかこなれ具合を楽しんでみるのもよいかもしれない。2016/10/09
セウテス
58
リーバス警部シリーズ第8弾下巻。リーバスという男のイメージが、ハッキリとしない。孤高な一匹狼というよりは、身勝手な男にしか感じない。更には警察内部に犯罪集団と手を繋ぎ、金を儲け情報を流す者たちまでいる。こうなってはバイブル・ジョンたちはいったい誰なのか、という謎解きをする雰囲気ではない。やはり本作は、リーバスという人生を描いた物語であり、彼に共感出来なければ、中々楽しめる作品ではない様に思う。何故ガーディアン1000冊に選ばれ、英国で高評価なのか解らない。第1作品から読んで来れば、良かったのかも知れない。2017/10/07