内容説明
隠れろ、隠れろ、隠れろ、隠れろ…憑かれたようにその言葉を繰り返していた青年は、不法占拠された住宅で怪死した。現場に向かったリーバス警部は、状況の異様さに驚愕する。死体の側には二本の蝋燭が溶けかけ、室内の壁には五芒星が描かれていたのだ。カルト宗教がらみの犯罪に巻きこまれたのか?まもなく被害者がある写真に固執していた事実が明らかになるが…町を浸食する濃く深い闇に、リーバスが闘いを挑む。
著者等紹介
ランキン,イアン[ランキン,イアン][Rankin,Ian]
1960年、スコットランドのファイフに生まれる。1987年、一匹狼の刑事ジョン・リーバスを主人公にした『紐と十字架』を発表し、その後シリーズ化。第8作『黒と青』(1997)で英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞、第13作『甦る男』(2001)で、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した。短篇の名手としても知られ、「動いているハーバート」(1996)で英国推理作家協会賞ショート・ストーリー・ダガー賞を受賞している
延原泰子[ノブハラヤスコ]
大阪大学大学院英文学修士課程修了、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
37
今回は面白かったよ!しりとりのように各章が繋がり、不意に絡みあう人物達。冴える刑事の勘。リーバスは昇進して警部になって、ちょっと肩肘はってるのかな?格下の警官をあごで使ういばりんぼ(笑)のイヤな奴になっとる。なんとも組織人らしい尊大さを発揮しながらも一匹狼はやるときゃやるぜ!で相棒?のホームズも黙らせる。どんどん死人が増えて壮大になっていくミステリーを読み付けてるせいか、一人の無名な若者の死の背景を確信的に追うリーバスがなんだか不思議に感じられた。島国的というか村的な閉鎖的、排他的な雰囲気がかえって新鮮。2018/02/25
み
23
リーバス警部は、同じヒト?と思いました。あの訓練の悪夢は、全くない???ジルさんとどうなるのか気になります、上手くいきそな気はしませんが。ホームズさんは、レギュラー入りかな?2024/12/08
紅はこべ
17
リーバスもの2作目。部長刑事から警部に昇進したばかりだが、自分の勘と推理の正しさの確認のために、部下をこき使う暴走ぶりは既に健在。2008/10/05
あおさわ
14
始まりで想像したような非現実的な要素は 現実的な真相で終わりを告げます…ので、ちょっと拍子抜け。 結構ラストのほうまで引っ張るのに、長いものにかなわないという結末は悲しいです。今回の相棒であるホームズとのついたり離れたりのやり取りのほうが面白かった。 1作目が面白かったぶん、物足りなかったですね。 次作に期待。 2016/03/01
Reiko
14
「ジキルとハイド」を元に、人間の二面性を描き出そうとしているのはよくわかるのだけれど、ちょっと弱い。同じような作品がたくさん出ているせいもあるのかも。ただこれを出版された時に読んでいれば面白いと感じられたのかも。エジンバラに行ったことはないが、きっと美しい町なんだろうな。そこを知っていると、この「表と裏」の顔が引き立ってくるのだと思う。ますますエジンバラに行きたくなった。このあと数作が未翻訳。残念。2015/05/29
-
- 和書
- そのこ