内容説明
子供の頃の高熱が原因で片耳が聞こえなくなったハリーは、ふとしたことから聴力を回復するが、不思議な能力を持つことになってしまった。暴力や恐怖に関係した過去の出来事が、その音を媒介に見えるようになったのだ。こうしてハリーは過去の犯罪場面を目撃するようになる。やがて大学生になり、初恋の相手と再会した彼は、彼女の父の死の真相を探り始める…青春小説とサスペンス小説が融合した会心作。文庫オリジナル。
著者等紹介
ランズデール,ジョー・R.[ランズデール,ジョーR.][Lansdale,Joe R.]
1951年テキサス州グレードウォーター生まれ。テキサス大学卒業後、さまざまな職業を経て1980年にAct of Loveで作家デビュー。ミステリ、ホラー、ウェスタンなど多彩なジャンルの作品を発表し、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学賞を受賞。2000年の『ボトムズ』では、アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)の最優秀長篇賞を獲得した。作家であると同時に、武道家として合気道や拳法を学び、独自に考案した護身術の師範でもある。テキサス州在住
北野寿美枝[キタノスミエ]
神戸市外国語大学英米学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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honyomuhito
65
ランズデール版オゲレツVer.デッドゾーン風味かなと思って読んだら大体合ってた。この作家って下ネタが好きで、残酷が好きで、エロい女の人が好きで、強い男が好き。よく考えるとこれってジャンプじゃない?1人少年ジャンプ。デッドゾーンはキングの超能力者の孤独を描く名作であるわけだが、この本には孤独はない。ダメな人とダメな人とダメな人が力を合わせて、強大なダメを雑めに退治するみたいな話である。そういう本もあっていいと思うのよね。https://chirakattahondana.com/ロスト・エコー/2020/03/14
hit4papa
34
物体がたてる音から、過去にその場所で起きた暴力と、それにともなう恐怖を体感してしまう青年の物語。前半は内向的な主人公のウジウジ状態がかなり退屈です。所々、挿入される殺人犯の独白に期待感が膨らむのみ。一転、後半は怒涛の展開です。巨悪に挑む主人公、そして仲間たちの頑張りが見どころとなります。クライマックスは前半のウダウダを吹っ飛ばす勢いです。本作品は、サイコメトリックものして読むと物足りなさを感じます。孤独な青年とそれを取り巻く人々の再生の物語なのです。ランズデールお得意のビルドゥングスロマンですね。2017/01/31
けいちゃっぷ
6
超能力ものといえば超能力ものなのかなあ。 幼い頃の病気をきっかけにある能力を身につけてしまった主人公。 前半の少年時代は幼なじみとの恋愛模様もあって微笑ましい。 大学にはいると「大人」の恋愛になるわけですな。 主人公の成長ものでもあるのだろうけど、ライトなミステリとして読んだ方がいいかも。 そこそこ面白く読めましたが、これが駄作ということはランズデールの他の本はどんなに凄いんだい? 479ページ 2012/01/31
魔魔男爵
6
敵も味方もオバカ過ぎる。実はコメディなのか?ご都合主義の嵐も吹捲るし1点(100点評価でw)。これよりクーンツの「オッド・トーマスの霊感」の方が100倍素晴しい!2009/05/19
himehikage
4
いちばん印象に残ったのは、脇役にすぎないジョーイの扱われ方とジョーイの孤独だったりする2008/08/09