ハヤカワ・ミステリ文庫
忙しい蜜月旅行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 653p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151754012
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

劇的な出会いを果たしたハリエットとピーター卿はようやく結婚にこぎつけた。記者やうるさい親族を遠ざけて、新婦の故郷近くへハネムーンにでかけたものの、滞在先の屋敷には鍵が掛かり、出迎えるはずの屋敷の主人の姿は見あたらない。やがて、主人が死体で見つかると、甘く楽しいはずの蜜月の旅は一転、犯人捜しの様相を呈し…本格ミステリ黄金時代を築き、後世の探偵小説に絶大なる影響を与えた著者の代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

80
【ピーター卿の事件簿シリーズ】第11弾。〔再読〕「毒を食らわば」で登場したハリエットに、前作「学寮祭の夜」でついにプロポーズに成功したピーター卿。本作で無事に結婚の運びとなり、2人はハネムーンの為に新婦の故郷近くに屋敷を借りる。しかし家主の死体が地下室から見つかり、密室の謎も加わって、警察に協力する事になる。本作は「推理で中断される恋愛小説」なのだから、セイヤーズ氏最後の長編として、ただ単に楽しむのが良いと思う。本当に人生を振り返る様に、シリーズの思い出が次々と浮かび、正に集大成と言える感動的な作品です。2021/04/02

藤月はな(灯れ松明の火)

36
ハリエットとの恋の攻防戦も遂に終焉を迎え、念願、叶って彼女と結婚したピーター卿。ところが彼女の過去や職業を知って色眼鏡で見る、姦しい親戚一同は黙っちゃいなかった。親戚共にうんざりした彼は、ハリエットの故郷近くの村で蜜月旅行を過ごすことに。しかし、蜜月旅行中の夫婦のために家は所有者が不在で手入れもなされていない。その上、所有者の死体が発見されて・・・。東京創元社から早川書房へ移り、訳者も変わったためか、ピーター卿が「御前」から「閣下」へ名称が変わり、クラシカルな訳が現代風になったのが印象深いです。2013/10/22

ピンクピンクピンク

15
遂に結婚したピーターとハリエット。新婚旅行へ出るも事件が振りかからぬ訳もなく…。戯曲として書き上げられた後、小説版として発表された本作。ピーター卿シリーズでは最後の長編作品でもある。この作品だけ出版と訳者が変わっていますが違和感なく読めました。1番の魅力はピーターとハリエットがイチャイチャしてるところかな。2人が幸せそうでなにより。小説版で追加されたという犯人を捕まえた=死刑台へ送ったという事実に苦しむ場面も独創的で良かったです。気がつけばすっかりシリーズにハマっています。2019/12/14

Tetchy

14
今回セイヤーズは本格ミステリにおいて語られることのなかった「人が人を裁く」という意味についてかなり掘り下げて書くという試みを行っている。最終章で語られるハリエット、ピーター卿はもはや創造上の人物ではなくなり、現実レベルまでに引き上げられた生身の人間だ。本作でシリーズは幕を閉じる。それは大団円というにはあまりに暗い余韻を残す。しかし文豪セイヤーズが本当に書きたかったテーマがここに来て結実したのは明らかだ。セイヤーズがなぜ21世紀の現代においても評価が高いのか、その証拠がこの作品に確かにある。2009/09/13

spica015

11
文学的で機知に富んだ会話は楽しいが、中期的に見れば話が進まなくてまどろっこしい感じが否めない。しかし総じて言えば、結婚して新たなスタートをきったピーターとハリエットのお互いを思いやる様子が微笑ましく、なんとも楽しいロマンチックコメディだった。正直ミステリ部分はおまけといったところだろうか。でも何が良かったかって、やっぱりバンターの素晴らしさがたっぷりと味わえたことに尽きる。有能なバンターの存在あってこそ、ピーターが名探偵でいられる。バンターが酒瓶の扱いについてぶちぎれてしまう場面が印象的。2016/07/19

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