内容説明
妻ジュリーの親族に招かれメキシコの田舎を訪れたギデオン夫婦。だが平和なはずのその村で、不審な死体が二体も見つかっていた。銃創があるのに弾の出口も弾自体も見当たらないミイラ化死体と、小さな村なのに身元が全く不明の少女の白骨死体だ。村の警察署長の依頼で鑑定を試みたギデオンは次々と思わぬ事実を明らかにするが、それを喜ばぬ何者かが彼の命を狙い…一片の骨から迷宮入り寸前の謎を解くスケルトン探偵。
著者等紹介
エルキンズ,アーロン[エルキンズ,アーロン][Elkins,Aaron]
1935年ニューヨーク生まれ。ハンター・カレッジで人類学の学士号を、アリゾナ大学で同修士号を取得。現代アメリカを代表する本格ミステリ作家。骨を手がかりに謎を解くスケルトン探偵ギデオン・オリヴァー教授が活躍する『古い骨』(1987)でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した。ほかに美術館学芸員クリス・ノーグレン・シリーズなどの作品を発表している
青木久惠[アオキヒサエ]
1966年早稲田大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kagetrasama-aoi(葵・橘)
30
「スケルトン探偵シリーズ」邦訳第十五作目。今回の舞台はメキシコのオアハカ州にある村 テオティトラン・デル・バリェ。ジュリーの親戚が営む観光リゾート牧場が舞台です。そこでの仕事を手伝いがてらリゾート気分を味わう…つもりだったんですが!ギデオンが例の如く “骨” を魅き寄せてしまい!ジュリーの親戚のギャラガー一族の年代記が、私が想像するメキシコと一致していて楽しく読みました。あと、このシリーズの特色である地元の料理、メキシコ料理(特にトルティーヤ)が凄く美味しそうで。メキシコ料理店に行きたくなりました。2023/10/11
Tetchy
17
本作はこのシリーズの原点回帰ともいうべき作品と云えるだろう。3つも骨の鑑定が盛り込まれており、昨今長々と舞台となった外国の観光ガイド的な情報とエルキンズお得意の魅力あるキャラクターの説明に紙面が割かれる傾向とは全く異なり、シリーズの特色が色濃く現れた作品で、久々にギデオンの緻密な鑑定を存分に堪能した。そして魅力あるキャラクターは本書でも健在。特に印象が強かったのは地方の警察署長であるフラヴィアーノ・サンドバール。エルキンズ御齢75歳。ファンのエゴかもしれないがまだまだ健筆を奮っていただきたいなぁ。2010/12/05
yi120
7
順不同で読んでも結構楽しめるシリーズ、変わらず夫婦仲はよろしいようで。蘊蓄話も面白い。ミステリとしても途中で何となく想像するが意外な展開、フィニッシュ。シリーズの定番の旅情とグルメも健在。個人的にはこれ位のページ数が好み(笑)2022/10/01
ニミッツクラス
6
10年の初版を読んだ。スケルトン探偵の邦訳分15作目。前作「原始の骨」を読んだ時点で本書が最後の一冊となり、何だか勿体無くて遠ざかっていた。実のところ、スケルトンの新刊が出るとは思っていなかったのだが、14年早々に最新刊が出ていたので本書に戻ってきた。今回の舞台はメキシコの太平洋側のオアハカ州で、東側のユカタンに続く2回目。主人公たちもブツも早くから登場してもたつき無し。さらに、出世したマーモレホ大佐登場でギデオンの回転は加速する。少しのノロケと豊富な料理は鉄板。構成も捻りがあって良かった。★★★★☆☆2015/01/30
kagetrasama-aoi(葵・橘)
6
今回の舞台はメキシコのオアハカ、「呪い!」のマーモレホ警部が出世して再登場。好きなキャラだから嬉しかったです。20数年経っているんだけど、ギデオンあまり歳とって無いね!シリーズ物のお約束だからいいんだけど、こんなことならエイブを死なせなくても良かったんじゃないかな。愛妻ジュリーの親戚の経営する観光農場が舞台になった事件、恒例の骨の鑑定からの身元と殺人の確定は面白かったし、メキシコ料理(ケサディーヤ&メキシコ・コーヒー)が美味しそう!ユカタン半島とはまた違った、オアハカの遺跡の描写も素晴らしいと思いました。2014/12/10