内容説明
イタリア貴族の当主ドメニコは姪に信じがたい言葉をかけた。「私の子を産んでほしい」と。時は流れ、産まれた子は、実業家として財を増やそうとする。だがその矢先、一族の人間が誘拐され、さらに前当主のドメニコの白骨死体が地中から発見された。調査を始めた人類学教授ギデオンは、骨に隠された一族の数々の秘密を知ることになるが…円熟味を増したスケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの推理が冴える本格ミステリ。
著者等紹介
エルキンズ,アーロン[エルキンズ,アーロン][Elkins,Aaron]
1935年ニューヨーク生まれ。ハンター・カレッジで人類学の学士号を、アリゾナ大学で同修士号を取得。現代アメリカを代表する本格ミステリ作家。骨を手がかりに謎を解くスケルトン探偵ギデオン・オリヴァー教授が活躍するシリーズの第4作『古い骨』(1987)でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した。ほかに美術館学芸員クリス・ノーグレン・シリーズなどの作品を発表している
青木久惠[アオキヒサエ]
1966年早稲田大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kagetrasama-aoi(葵・橘)
38
「スケルトン探偵シリーズ」邦訳第十作目。今回の舞台はイタリアのマッジョーレ湖畔のストレーザ村、そして湖に浮かぶデ・グラツィア島です。ギデオンの友人のフィル・ボヤジャン再登場。フィルの母方の親戚に纏るお話。貴族とか、島に建てられた宮殿とか出できて、なんか凄いです。家族関係も入り組んでいて大好きな系図書いてしまいました。殺人よりも、フィルの出生とか生い立ちとかに興味津々でした。今までのフィルの描写とのギャップが楽しかったです。最後、ギデオンの骨の鑑定でフィルに纏る謎が明らかになるところは圧巻でした。2023/10/06
鐵太郎
12
まったく読んだ事がない作家なのですが、面白い。よくできた、きっちりトリックを積み重ね正攻法で攻める本格ミステリっていいですねぇ、やっぱり。しかも、登場人物が魅力的であればなおさら。このシリーズ、もっと読んでみたくなりました。2012/10/22
Kitinotomodati
8
このシリーズを読むときは、骨の鑑定シーンが読みたいんだ!と、やや不満。新機軸を採り入れて、マンネリ化を防ごうとの意図なのでしょうが、大いなるマンネリ万歳。ミステリアスプレス文庫で出ていた初期の作品を再読しよう。2020/03/28
ホームズ
8
スケルトン探偵シリーズははじめて読みました。シリーズの最初ではないのでまだキャラクターに愛着がなくはいりこめなかった。骨から犯罪を推理していくわりにはあまり骨は関係なかったような気がしてしまった。誘拐事件と無理に結びつける必要があったのでしょうか?とりあえず他のシリーズも読んでみよう。2009/10/07
Tetchy
8
前作『洞窟の骨』から実に5年ぶりだから、ほとんど翻訳打切りだと思っていた。この作品から毎年新刊が訳出されるようになる。エルキンズの登場人物をコミカルに描く筆致は健在。個人的なツボキャラは地球外生命体について議論を吹っかけるポーラ・アードリー-アーボガスト。とはいえ、プロットは今回なんだかちぐはぐな印象を受けた。誘拐事件と骨を絡めるのがやや強引、こじつけのような気がした。ちょっとネタ切れな感じ。2009/09/21