内容説明
酒のせいで警察を辞職する羽目になったジャックは日々行きつけの店で飲んだくれ、飲まないときは読書をするか、前職を活かした探偵業にいそしんでいた。ある日、いつものように飲んでいると、美しい女が自殺した娘の死の真相を調べてほしいと頼んできた。望みの薄そうな調査に始めはいやいやだったジャックだが、ある事件をきっかけに負けじ魂に火がつく!酒と本を愛するすべての人に捧げる、新しいかたちの探偵物語登場。
著者等紹介
ブルーウン,ケン[ブルーウン,ケン][Bruen,Ken]
1951年アイルランドのゴールウェイ生まれ。アフリカ、日本、東南アジア、南アメリカでの英語教師の職を経て、1992年Funeralでミステリ作家としてデビュー。2001年に上梓した、元警官の本好き酔いどれ探偵ジャック・テイラーが活躍するシリーズ第1作『酔いどれに悪人なし』は、アメリカを始め世界各国で話題を集め、アメリカ私立探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞。さらにアメリカ探偵作家クラブ賞、マカヴィティ賞、バリー賞にノミネートされるなど、高い評価を受けた。ゴールウェイに在住
東野さやか[ヒガシノサヤカ]
上智大学外国語学部英語学科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
64
アイルランド出身のハードボイルド作家の小説。酒の失敗で警官を辞めた探偵に、自殺した娘の死の真相を調べてほしいと美しい女性が依頼してきた…… 展開が読めないというかちょっと驚いた。こういうのでも許されるのかと。すっかりお約束の展開に縛られている自分に驚いた。ゆったりとしたユーモアと厭世感はブコウスキー作品のようだ。厚めの本であるが、適度な軽さがあり思ったより早く読めた。主人公は酒飲みでもあるが読書家であるのが面白い。良い時間つぶしとしておすすめの一冊。2016/10/19
イエローバード
14
アル中のせいでアイルランド警察をクビになり、私立探偵を細々とやっているジャック。少女たちの相次ぐ自殺の真相を調べ始めるが……。短い章立て、ぶつ切りの文章、随所にちりばめられた古典やミステリからの引用、どこに行きつくのか全然わからないプロットにいたるまで、すべてがユニーク。全編おかしいけれど悲しくて、笑ったとたんに泣かされて、最後はズドン!とやられた感じ。苦手なハードボイルドをうっかり借りて仕方なく読んだけれど、大当たり。二作目を探してみよう。2019/10/21
nemuro
11
今回、図書館から借りて読みましたが、実は、購入済みの本。頻繁な引越しに伴い、ダンボール箱のどこかに収納されていることは間違いないのですが、発見は困難。「まあ、そのうちに・・・」が結局今に至ってしまいました。もっと早く読むべき本で、反省することしきりです。東野さやか氏は「訳者あとがき」で「ブルーウンを独特たらしめているのは、なんと言っても個性的な文章だ。ブツ切りの文と独特のリズム、無駄のないスタイリッシュな文体」と指摘していますが、まさに同感。実に心地よいテンポで、第2弾以降が楽しみです。 2011/11/06
DEE
10
酒が元で警官をクビになり私立探偵となったジャック。ある母親から娘の自殺の真相が知りたいとの依頼を受け調査を始めるのだが。 主人公ジャック、殆ど仕事していない。ひたすら飲んで反省して禁酒して、また飲み始めてたまに殴られて入院。 周囲の人間がゴタゴタやってるうちに、なんとなく事件は片付いたような感じ。 たくさん人も死ぬし解決ではない気はするけど。 ブツ切りで素っ気ない文章ってあるけど、これなんか数ページ毎に切り替わる。それでも不足なく読ませるのだから大したものだ。2019/07/21
あら
4
ハードボイルドは苦手だが、最後まで楽しく読んだ。主人公の探偵はアル中で鬱っぽい。ろくに推理もしない。からっとした文章が不思議だ。続きが気になる。2024/03/19