内容説明
国際的知名度を誇る形成外科医のリシャールは、愛人のエヴを連れて今宵も出掛ける。美貌のエヴに自由はない。すべてリシャールの言いなりだ。上級のパーティへ、高級なレストランへ、だが時には…読者の意表を衝き、次々に明らかにされる謎と衝撃。縺れあう物語の迷宮の果てに待つものは?本国フランスのみならず英米でも高く評価され、巨匠ペドロ・アルモドバル監督に映画化された著者の代表作。
著者等紹介
ジョンケ,ティエリー[ジョンケ,ティエリー][Jonquet,Thierry]
1954年パリ11区生まれ。パリ大学クレテイユ校で哲学を学び、セラピストとなる。1982年M´emoire en cageで作家デビュー。813賞を三度受賞したほか、ミステリ批評家大賞なども受賞、長篇小説だけでも16作を発表し、「セリ・ノワール」の看板作家として活躍した。2009年死去
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生、早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修了、フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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空猫
22
映画を見たのだが、画像ばかりが強烈(暴力とエロ)で話は無理矢理納めただけだったのでよく分からず原作を。原題は『蜘蛛の微笑』。題名を変えたのは正解。映画と原作は別物だ。170頁程の短編ということもあり一気読み。昔からマッドサイエンティストの話は多々あるけれど、こんなにも歪んだ愛(狂気?)からの所業は言葉もでない。映画と違い救いの無いラストもこの物語にぴったりだと思う。2018/08/22
うーちゃん
17
著名な形成外科医と同居する 若く美しい女、強盗・警官殺しを犯して 逃亡生活を続ける男、そして時折挿入される「おまえ」という二人称で表わされるゴシック体の章。中編といってもいいぐらい短い作品で 登場人物も少ないのですが、だからこそでしょうか 奇抜なフレンチ・ノワールの雰囲気が より際立っています。真相(及びその描写)はおおいにショッキングで、さらなる一撃も。どのように映像化されているのか気になるところですが、A・バンデラスとは・・見ようかな~どうしようかな~(笑)2012/07/03
コーデ21
8
本作を読んだあと映画のほうも観ましたが…断然、原作のほうが面白い☆ ともすればエログロ話となりそうなのに、構成力のうまさが際立って独特の魅力を醸してます! この表紙はかえってマイナスだと思うけどな~(-_-;)2016/12/30
冴子
6
映画が面白かったので、読んでみました。 不思議な、というか、怖いというか、ミステリーというかホラーっぽいかも。 復讐でここまでするかね。2012/08/10
アーサー2号
6
何と言うか、手頃な作品。すぐ読めて、面白く、読んだ後は『なるほど、うまいな〜』って思った。最近蜘蛛を家でよく見かけるんだけど気のせい?wというかジョンケの作品ってこれだけ?注目されてる作家ならもっとだしてよ。若くして亡くなられたらしいけど…2013/10/21