内容説明
精神を病んだ犯罪者のための病院で女性患者が謎のメッセージを残し、姿を消した。鍵がかかった病室からどのようなトリックを使って脱け出したのか?そしてその病室には「ローオブフォー」(4の法則)なる暗号がのこされていた。連邦保安官テディは病院に赴くがある事に気をとられ、捜査ミスをおかす。妻を殺した男がここに収容されていたのだ。ボストン沖の孤島に建つ病院で惨劇が始まる。挑発的仕掛けのサスペンス。
著者等紹介
ルヘイン,デニス[ルヘイン,デニス][Lehane,Dennis]
マサチューセッツ州ドーチェスター生まれ。1994年、私立探偵パトリックとアンジーのコンビを主人公にしたシリーズ第1作『スコッチに涙を託して』で、シェイマス賞最優秀新人賞を受賞。2001年に発表した『ミスティック・リバー』がアンソニー賞最優秀長篇賞を受賞し、クリント・イーストウッドの監督で映画化もされた
加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
1962年生、1985年東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
115
心理的な深みとサスペンスの緊張感が融合した完成度の高い内容だったのではないかと思いました。隠された現実の方が本当の○○なんて衝撃過ぎました。なんか特別感を感じる余韻を残して本書を閉じました。2025/10/14
sin
91
読後、特別な余韻を残す作品です。全てが茶番劇だと切り捨てるにはあまりにも巧妙に構成された彼の世界に、ページを戻っての確認を余儀なくされるが、悲しいことに彼を取り囲む世界は、彼の願い通りになることはない。テディ、彼にとって、いや読者である僕にとってもゆるぎない現実を蝕む悪夢のような体験談だと思っていたら、隠された現実の方が本当に悪夢だったんだね?「レスター?テディに花束をあげてください。」2016/09/22
hit4papa
85
精神病棟のみの孤絶した島にやってきた保安官。忽然と姿を消した患者の捜査も名目に、主人公は自身の妻を焼死させこの島に収監されている男の殺害を目論んでいた…。ハリケーン来襲の中、異様な閉鎖空間で繰り広げられる捜査行に、スリリングな展開を予想します。院長や医師、スタッフの不審な挙動、そして信頼していたバディへの疑惑が持ち上がり、と終始、不穏な空気に包まれています。挿入される偏頭痛持ちの主人公の夢想が、サスペンス度を盛り上げます。主人公は、妻の仇をとることができるのか?ラスト(オチ)は好き嫌いが分かれそうですね。2022/10/26
takaC
77
50年代アメリカが舞台だから成り立つのではないかと思う点多々ありだがそれを踏まえて読む分にはたいした問題ではない。面白いけど怖い。2015/07/29
*maru*
55
絶海の孤島シャッター島にある犯罪者が収容される精神病院、アッシュクリフ。謎のメッセージを残し病院から脱走した“患者”を探す為にこの島へやって来た連邦保安官のテディと相棒のチャック。精神病院という事で先が見える展開もあったが、暗号の謎解きや愛する妻を殺した放火魔の存在、ハリケーンパニックなど非常に読み応えがあった。読了後、プロローグをじっくり読み返す。本作くらいの長編ともなれば登場人物へ愛着も湧いてくる。その愛着からの結末。そして、プロローグだ。総じて満足度の高い作品。これは面白かった。2018/09/03