内容説明
“石の目”とは、中国軍に破壊されたヤプチ村の守り神の目の部分だった。“石の目”を運ぶ単たちは、ヤプチ村の住人や行方不明の女性地質学者を捜すアメリカ人の男と出会い、共に村をめざす。だが一行を山岳戦闘旅団や公安局、宗教事務局が追ってきた。彼らの目的は何か?しかも人々を救う僧が現われるという噂が流れ、事態は複雑怪奇に…アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作『頭蓋骨のマントラ』の著者が描く感動の大作。
著者等紹介
パティスン,エリオット[パティスン,エリオット][Pattison,Eliot]
弁護士として投資など国際的なビジネスの場で活躍してきた。ビジネス関連、法律関連の記事を発表し、著作のひとつが『ニューヨーク・タイムズ』により、1996年のもっともすぐれた経営書に選ばれている。世界各地を訪れているが、なかでも中国には何度も足を運んでいる。その経験と知識をもとに描いた『頭蓋骨のマントラ』(1999)は、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞し、英国推理作家協会賞の候補にもなった。現在、アメリカのペンシルヴェニア州で妻と三人の子供と暮らしている
三川基好[ミカワキヨシ]
1950年生、早稲田大学大学院修士課程修了、早稲田大学文学部教授、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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とらやん
1
単道雲シリーズの3作目。 文化大革命以降、中国はチベット自治区に対して、激しい宗教弾圧を加えている。 その弾圧は、現在もまだ続いているのだろうか。 そしてチベットの人々は、今も静かにマントラを唱えているのだろうか。 チベットの澄んだ空気と、チベット仏教の底知れぬ包容力が、 鮮烈な印象を残す作品です。 実は4作目があるようなのですが、和訳されていません。 ワシにとっては珠玉のシリーズで、残念じゃ。2019/10/07
xx_ko
0
再読。というか何度目の再読か忘れたくらい読んでる。早川書房さんお願いです続きを読ませてください。謎の絡まり方と解き方がほんと面白い。ウィンズロウのような人物が出てくるのが三作目にいたってからというのは抑制が利いてる。チベット問題に興味を持ったのは、実はこのシリーズを読み始めてから。フィクションではあるけれど、入り口のひとつとしておすすめです。単とローケシュのその後が知りたいよ!原書探すか?2010/12/10