内容説明
模範的な黒人警官が豹変し、白人に銃口を突きつける。彼は止めに入った同僚に銃を向け、逆に射殺された―事件を調査するワシントンの私立探偵デレクは、家族思いの男の素顔を知るが、その妹は兄の葬儀の直後に失踪し、麻薬に溺れていた。やがてデレクは、男を凶行に走らせた兄妹の過酷な運命に直面する…欲望が渦巻き、銃弾が飛び交う街で正義を貫く男を描いた現代の挽歌。ハードボイルド界を担う著者の新シリーズ。
著者等紹介
佐藤耕士[サトウコウジ]
1958年生、上智大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
72
白人と黒人が共存する町DC。だが、同じ町に住んでいるといっても、彼らの間には深い溝がある。差別意識がほとんどないように見える白人もいれば、差別意識をむき出しにしている白人もいる。そして、町にはヤクがはびこり、それをめぐって悪徳がはびこる。また、白人であろうが黒人であろうが、きれいな女の子は狙われ、罠にはめられる。なんという世界だろう。2019/05/18
GAKU
50
黒人私立探偵デレク・ストレンジのシリーズ第1作目。20年ほど前に刊行された作品。ワシントンを舞台にストレンジが依頼された調査を行う際に描かれる、人種差別、麻薬、貧困、警察の腐敗が暗くて深い。ストレンジが最初は調査対象の一人、白人のテリー・クインと徐々に関係が深まっていく過程が良かった。2作目以降もテリーが登場するのか興味あるので、もう少しこのシリーズ追っかけて見ようと思います。 2022/09/12
Satoshi
6
ペレケーノスの黒人探偵ストレンジシリーズの第1作。3作目が素晴らしかったので、始めから読むことにした。本作も感動的な出来。警官による黒人青年の射殺事件が多く報じられる中、本作のテーマは重い。最後のクインの問いかけは深い。腐敗した警察、凶悪な麻薬売人、ヘロイン中毒の恐怖などがストーリーに深く絡む。また、60年代・70年代ソウルと西部劇がところ狭しと紹介されているのも嬉しい。2017/03/23
himehikage
1
ハードボイルド系の翻訳ミステリで、主人公が風俗店に行って性処理しちゃう小説は初めてだ…。相変わらず、場面ごとに登場する音楽ネタが楽しい。2007/05/02
ジョークール
0
デレク・ストレンジ登場!