ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 俺たちの日

ハヤカワ・ミステリ文庫
俺たちの日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 556p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151706530
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ギャングのボスのために借金を取りたてる―どんな危険も顧みない幼なじみのジョーとピートにとって、それは簡単な仕事だった。が、非情になりきれないピートは取り立てを見送り、見せしめのためギャングの手下に脚を折られてしまう。三年後、小さな食堂の店員として働くピートのまえに、いまやボスの片腕となったジョーが現われ…“ハードボイルドの次代を担う”と絶賛される著者が贈る、心を震わせる男たちの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

304
しいて分類するなら、ハードボイルド小説ということになるだろう。ただ、主人公のピートは身体的にはタフ・ガイではない。むしろ若き日に左膝に致命的な損傷を受け、歩行にも困難をきたしている。ただし、滅法女にはもてる二枚目ではある。もっとも、この小説の魅力を背負うのは彼一人ではなく、ワシントンD.C.に生きる、ギリシャ系をはじめとしたイタリア系やアイルランド系のマイノリティ・ホワイトの移民の2世たちであり、次第に台頭しつつあった黒人たちである。プロットよりも、作品を形作っているのは、D.C.の街の息吹なのである。2018/06/26

遥かなる想い

149
1940年代のワシントンDC を舞台にした ハードボイルドである。 ピート・カラスの生き様を通して、 アメリカの当時の若者たちの 満たされない鬱積さを骨太に描く。 酒と女と麻薬とタバコの雰囲気が いかにも ハードボイルドらしい。 友との再会がカラスに及ぼしたものは… 男らしさが心地よい、定番の展開だった。2019/05/04

まふ

89
第二次大戦をはさんで米国ワシントンDCのギリシャ系移民の子ピート・カラスとイタリア系移民の子ジョー・レセボとの断ち難い関係を軸としてワルガキ時代から青年時代、徴兵応召さらに戦後へと続く仲間たちとの友情と断絶・再帰を綴った熱く悲しい物語。米国白人社会の中でいみじくも「ヨーロッパ北部移民以外」としてビーチで除外されるマイナーなギリシャ系移民の生き苦しい世界。その中で自分の世界を崩さずに生き抜いた主人公カラスの英雄的な生きざまは感動的であり、きわめて深く重い読後感をもたらす。 G1000。2023/05/20

NAO

75
貧しい移民の白人たちが住む地区で育った主人公。戦争に行きレイテ島での戦功で勲章をもらっても、戦後帰国すればただの人。鬱屈した思いをかかえている若者たちは、自由だった少年時代の輝かしかった日々からいつまでも抜け出せない。行き場を失くした男たちの挽歌。2019/09/07

sin

72
時代も考え方も違うのに何故かわかった気になれる距離感の少年時代の描写を経て…第二次大戦を生き延びた彼は大人の自覚も儘ならないまゝ自分を貫こうとして災難に巻き込まれ背を向けた友との決別を余儀なくされる。数年後、彼の勤める店と友の属するギャングとのいざこざが彼らを再度向き合わせる。背景に薄く流れる連続娼婦殺人がある種の引鉄となって彼らを拙速な最期の対決に誘う。男臭さ溢れる物語◆英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊を読破しよう!http://bookmeter.com/c/3348782022/09/26

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