内容説明
わたしが小さな町の競馬場にやってきたのは、自分の過去を取り戻すためだった。孤児だったわたしは、両親も生まれた場所もまったく知らない。唯一の手がかりはその競馬場にいたジンジャー・ノースという女性だったが、彼女は30年前に謎の自殺を遂げていた。厩務員として働くかたわら、わたしはジンジャーの死の真相と自分の出自を探るが、それを妨害する敵の魔手が!スリリングで謎に満ちた展開で贈る注目のサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Richard Thornburg
6
感想:★★★ 競馬場を舞台にした話です。 最初は霞を掴むような感じなのですが、次第に主人公が何を探して何を求めているのかがはっきりしてきます。 前半は主人公の地味な調査なのですが、後半からかなりアクション要素も入ってきて退屈しません。 主人公に助力してくれた調教師の女性が最後にどうなったのかは気になるところで、少し消化不良気味です。 同著者で競馬場が舞台の「愛書家の死」よりは面白いと思います。 派手な面白さはありませんが、地味に面白く読める一冊でした。2014/10/17
ホレイシア
4
すばらしい、パーフェクト。自分の出自を追って周到に事を進めていく主人公は魅力的だし、彼を助ける女性調教師(競馬場が舞台なのだ)が実にかっこいい。「自分探し」って言葉は本来こういう場合にのみ限定されるべきなのではあるまいか。最後に救いがないところもモロ好み。「古書」シリーズの著者による良質なミステリー、大満足。2010/07/02
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2
興味をもったのはウエスの自分さがしの結末ではなく、ある一人の女性の人生の苦難と執着ともいえる強い愛情であった。彼女の日記を読みながら、だんだん彼女の心が壊れていくのを感じていた。でも彼女を助けることはできなかった。彼女自身、どうしてよいのか分からなかったし、どうしようもなかったのかもしれない。2010/06/07
負け猫
1
出てくる人物がそろいもそろって胡散臭い。だから余計にラストまで結末が全く分からなかった。2014/09/09
mantohihi
1
アメリカの競馬場を舞台にしており新鮮だった。面白かったが、展開や描写が雑だなあという印象。主人公に共感しずらかったのはマイナス。ラストは個人的には好きな終わり方だった2011/07/20