出版社内容情報
脳を患った大正天皇の知られざる人生(『治天ノ君』)。戦後の混乱期に日本人官僚が朝鮮で見た真実(『追憶のアリラン』)。戯曲二偏。
内容説明
激動の明治と昭和の間に埋もれ、人々から忘れられた大正天皇の知られざる生涯とは。快活で家庭的だった素顔。父との軋轢や摂政になった息子との確執。病魔と闘い、皇后とともに理想を守るためにも闘った大正天皇の姿が浮かび上がる「治天ノ君」。戦中戦後の混乱期、朝鮮を舞台に日本人検事と朝鮮人事務官が織りなす人間ドラマ「追憶のアリラン」。歴史の断面を描く古川健のヒューマニズムの真髄を表す戯曲二篇。
著者等紹介
古川健[フルカワタケシ]
劇作家、俳優。1978年、東京都生まれ。2002年、劇団チョコレートケーキに入団。09年「a day」より劇作も手がける。10年、「サウイフモノニ…」から日澤雄介が演出を担当し、現在の製作スタイルを確立。あさま山荘事件の内側に独自の物語で切り込んだ「起て、飢えたる者よ」以降、大逆事件やナチスなど社会的な事象をモチーフにした作品を作り続けている。14年、「治天ノ君」が第21回読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。15年には劇団としての実績が評価され第49回紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞。19年、第26回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞(「遺産」)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がんちゃん
1
例えば、シェークスピアの戯曲を読んだときとはまったく別の感動がありました。それは日本史を題材に扱っているということもあるでしょうが、歴史の本質を戯曲でも表現することができるんだという、ある意味、当たり前のことを再認識できたことが大きくあります。もちろん、これまでも史劇という分野はあったことは知っていますが、私の乏しい戯曲体験の中で、このほどさように歴史の本質のようなものがドラマとしてズシンと伝わってきたことは初めてといっていいほどでした。このような戯曲を読むことも十分に文学なんだなぁとも思った次第です。2024/12/10
葛
1
2019年10月10日印刷 2019年10月15日発行 著者:古川健 発行者:早川浩 印刷者:草刈明代 発行所:株式会社早川書房 印刷:中央精版印刷株式会社 製本:株式会社明光社 ハヤカワ文庫演劇48 カバーデザイン:工房はやし 劇団チョコレートケーキ 演出:日澤雄介 解説:渡辺保 2019/11/29
スズリ
0
近代の天皇を芝居に落とし込むことに抵抗を感じたことに自分でびっくりした。事実を元にしたフィクションらしいけども。生で観劇したら印象変わるんだろうか。2023/09/21