出版社内容情報
敗戦後、光太郎は東北で亡き智恵子を見る……「月にぬれた手」。賢治の一生を入れ子構造で描く「天使猫」。"震災後文学"の秀作二篇
内容説明
終戦後、花巻郊外の粗末な小屋。高村光太郎は大戦中の自分を厳しく省みる日々を送っている。ある日、亡き妻・智恵子の幻影が現れ―女性と地方の立場から、光太郎が象徴する都会の男性中心社会を問い直す『月にぬれた手』。東北地方の瓦礫の中でケンジは、妻の遺体を探す「猫」と出会う…東日本大震災と向き合い続ける著者が、宮澤賢治の人生と作品を織り交ぜて描いた、鎮魂と祈りの音楽劇『天使猫』。
著者等紹介
渡辺えり[ワタナベエリ]
劇作家・演出家・女優・歌手。舞台芸術学院、青俳演出部を経て、1978年に「劇団3○○(さんじゅうまる)」を結成。97年の解散まで、主宰・劇作家・演出家・女優の4役をつとめる。『ゲゲゲのげ』(1982)にて岸田國士戯曲賞、『瞼の女』(1984)の作・演出にて紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。現実と幻想の入り乱れるノスタルジックな世界を描いた独特な作風で多くのファンを魅了している。舞台にとどまらず、映画やテレビでも個性を発揮。83年NHK『おしん』で国民的人気を獲得。96年映画『Shall we ダンス?』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。04年『今昔桃太郎』、07年『新版 舌切雀』で、歌舞伎の作・演出もつとめる。同年9月に「渡辺えり子」より「渡辺えり」に改名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
葛