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ハヤカワ演劇文庫
トム・ストッパード 〈3〉 ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151400421
  • NDC分類 932
  • Cコード C0197

出版社内容情報

現代演劇界の巨匠、トム・ストッパードの出世作

「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」。シェークスピアの『ハムレット』の終幕、こんな一言で片付けられてしまう憐れな脇役の二人。本作は、ハムレットの学友であるが故に、玉座争いに巻き込まれ、死すべき運命に流される彼らの運命を描く。果たして「筋書き」通りの行く末なのか……。イギリス最高峰と称される劇作家、トム・ストッパードの出世作が気鋭の演出家・小川絵梨子の新訳で甦る。解説/河合祥一郎

著者紹介
劇作家、脚本家。1937年チェコスロヴァキア生まれ。幼少期にドイツの侵攻を逃れ、両親とシンガポールに亡命。その後、母の再婚相手である英国軍人の姓を受け、英国へ移住。17歳で新聞記者の職を得た後、テレビやラジオのシナリオ執筆を開始。66年『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』で脚光を浴び(68年トニー賞最優秀作品賞。90年に自身の監督・脚本で映画化)、以降話題作を次々と発表。一見難解な哲学的主題を、ウィットに富んだセリフと軽妙なユーモアを交えて語る作風で有名。自作のほかチェーホフ作品等の翻案も手掛ける。2002年初演の本作『コースト・オブ・ユートピア』で07年トニー賞最優秀作品賞など7部門を受賞。映画脚本も多数担当し、98年『恋に落ちたシェイクスピア』でアカデミー賞最優秀脚本賞受賞。78年CBE勲章受章、97年にはナイトに叙せられる。09年、第21回高松宮殿下記念世界文化賞受賞。その他の劇作に『リアル・シング』(82年)、『アルカディア』(93年)、『ハード・プロブレム』(15年)などがある。

訳者紹介
1978年生。アクターズスタジオ大学院演出部卒業。翻訳・演出家。舞台の戯曲翻訳として『今は亡きヘンリー・モス』シェパード、『ロンサム・ウェスト』マクドナー、『令嬢ジュリー/死の舞踏』ストリンドベリ他。2010年小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞、第19回読売演劇大賞杉村春子賞受賞他、多数受賞。2018年9月より、新国立劇場演劇部門の次期芸術監督に就任。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

93
読了日を見て、今更気づいた。22年前の今日だったのか。改めて合掌。原作では、この2人は愚かで考えが浅く、簡単に国王の口車に乗ってしまい、巻き込まれ命を落としてしまうのだが、浅はかさが救いでもあるような印象だった。だから、このふたりが、特にギルデンスターンが、条理を問う語りが不似合いに思われ落ち着かない。1番好きなシーンは、ここでハムレットが飛び出して戦いに行ったところ。この劇が人気を博したのは、ハムレットに対する切り口だろう。実際にハムレットを読んで観た人は何割いる?2023/09/11

松本直哉

28
悩みつつも能動的に決断し行動する英雄ハムレットと対照的な反英雄とでも言おうか、彼の学友というだけで、わけもわからないうちに突然呼び出されて監視と付き添いの役を押し付けられる二人組にはなんの主体性もなく、ただ受動的に巻き込まれ挙句の果てに処刑される運命なのだが、漫才コンビのような二人のボケとツッコミが面白い。劇中劇の座長の役割が大きいのも特徴で、ときおり挿入される本編の筋書きとないまぜになって、どれが現実なのかわからなくなる。もはや英雄の君臨しない凡人の時代にふさわしい劇と言えるだろうか。2022/02/08

鐵太郎

22
数十年前図書館で読んだ時は、正直訳わからなかったもの。年月が経って演劇にも「ハムレット」にもある程度馴染み、多少は内容を論じるようにできてからこれを読むと、このおかしさと含蓄の深さがじわじわとわかってきます。  ──「因果応報の死」と「悲劇の死」の間にこそ、われわれ独自の才能を生かせる余地が残っていると私は思っている。一般的に言って、物事が悪い方へ悪い方へ転がり出したら、行き着くところまで行き着くもんです──  シェイクスピアは奥が深いけれど、それを元ネタにこんな戯曲を引っ張り出したストッパードもすごい。2022/01/01

イシザル

11
バラエティーのロケ番組にkenwatanabeが出てたのを観たが、面白かった。一見グダグダに見えたが、宮下草薙の草薙のオドオドした芸風に被せれる様kenwatanabeがアドリブを入れて草薙もそれに乗かってたんだろう。この劇は、わざとポンコツに魅せることが出来る役者が必要なんだと思う。2020/12/09

lico

5
『船に乗ったのが間違いだった。無論、俺たちはここでは自由に動けるし、フラフラ向きを変えたり、うろつき回ることもできる。でも俺たちがどう動こうと、それはもっと大きな動きの中に取り込まれていて、風や潮のうねりが俺たちを情容赦なく流していた……(217P)』演劇の中に捕らわれ右往左往する二人の姿がとても面白い。自分たちの居場所を知りたいというギルデンスターンの訴えや、生まれた年を二倍すると奇数になる方に賭けると叫んだローゼンクランツのありえない奇跡への希求が人生への問いかけのようになっていてとてもよかった。2022/10/13

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