内容説明
源平の戦いを壮大に描いた木下順二の名作『子午線の祀り』は1979年初演。以来、1992年まで5回にわたり主演平知盛を演じつづけた著者は、新劇・歌舞伎・能狂言など各分野の名優と競演。その美しく力強い劇世界を創り上げていった。戯曲を読み解く作業、呼吸法やせりふ術等の追求の過程でたどりついた境地とは。長く前進座で活躍した名優が、役を創造する苦しみと喜びを綴る戯曲論の傑作。
目次
潮が西へ走り始めた!
“全曲上演”をどう捉えるか
木下順二氏は何故“文学的欠落”への挑戦とあえて言ったか
デクラメイション・考
論理と感覚の世界
文体と構造
子午線の視座
影身よ!
永遠の時間の中を、幕が静かにおりて行く
エピローグ―母へ‐見るべき程の事は見つ
著者等紹介
嵐圭史[アラシケイシ]
俳優。1940年東京生まれ。五代目嵐芳三郎の次男として生まれる。48年に前進座子供劇場で初舞台。俳優座養成所(8期)を経て59年前進座に入座。劇団幹事長を経て、のち17年に離座。『子午線の祀り』(85)で紀伊國屋演劇賞個人賞、『怒る富士』(92)で文化庁芸術祭賞、『天平の甍』(03)で名古屋演劇ペンクラブ賞、『江戸城総攻』(09)で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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