出版社内容情報
「彼は殺されたんじゃなかったの?」――アバネシー家の主人リチャードの葬儀後、末妹の一言が、一族を怪事件へと巻き込んでいく
内容説明
だって彼は殺されたんでしょ?―アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが無邪気に口にした言葉。すべてはこの一言から始まった。翌日、コーラが死体で発見される。要請を受けて事件解決に乗り出したポアロが、一族の葛藤のなかに見たものとは。衝撃の傑作、新訳で登場。
著者等紹介
クリスティー,アガサ[クリスティー,アガサ] [Christie,Agatha]
1890年、イギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な臆測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、結婚した。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aoringo
102
資産家の老人の葬儀の場で「だって彼は殺されたのでしょう?」の一言から親族たちに波紋が広がり、殺人事件へと繋がる。みんながみんな怪しくみえて犯人は結末まで分からなかった。でもさすがポアロは小さなことまで見逃さなかった。いつの時代もお金は人を狂わせる。クリスティの人間描写は今回も秀逸でした。それにしてもポアロの偽名、ミスター・ポンタリエって何かかわいくない?2022/03/08
nuit@積読消化中
78
つい最近、キングを読んでて手斧で滅多斬りに、ウヒョー!となっていたが、クリスティーでも手斧で滅多斬りの殺人鬼登場にびっくり。そしてまさかの意外な犯人。これ、メイントリックは映像化ではどうなっているのか?個人的にはMI6のようなミスター・ゴビーがお気に入り。2020/11/25
優希
48
ポアロもの。無邪気な一言がきっかけとなって起きる殺人。一族の葛藤の中でポアロが見たものが事件の鍵だったのでしょうか。シンプルな中の意外性が面白い作品でした。2023/12/11
ann
45
学生の頃から読んでるクリスティ。出来ればポアロで。時々ミス・マープルで。パーカー・パインもいい。著作が多いから「読めない時」にはクリスティが定番。今回も定石とわかりつつ存分に楽しめた。2021/01/13
ルカ
36
クリスティーの作品の中でも 王道ミステリーの傑作 睡眠中急死したアバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり 末の妹コーラが口にした無邪気な一言 だって彼は殺されたんでしょ? 翌日コーラは手斧で頭部を見るも無惨に砕かれ死亡した。登場人物のキャラ 伏線 トリックが見事だと思う。犯人は意外な人物だった 家政婦ギルクリストには動機がなかったから 黒幕だとは思わなかった。2023/08/11