ハヤカワepi文庫<br> ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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ハヤカワepi文庫
ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151201080
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ヴェトナム帰還兵モスがメキシコ国境付近で発見した死体と大金が、更なる殺戮を呼ぶ。〈国境三部作〉後の衝撃作。解説/佐藤究

内容説明

1980年。ヴェトナム帰還兵のモスは、メキシコ国境付近で麻薬密売人の殺戮現場に遭遇する。男たちの死体と残された莫大な現金を前にして、モスは決断を迫られる。この金を持ち出せばすべてが変わるだろう―モスを追って残忍な殺し屋が動き始め、その逃亡劇はやがて更なる“血と暴力”を呼ぶ。実直な保安官ベルは、相次ぐ凄惨な事件の捜査を進めるが…。アメリカ純文学界の巨匠による犯罪小説の傑作。

著者等紹介

マッカーシー,コーマック[マッカーシー,コーマック] [McCarthy,Cormac]
1933年、ロードアイランド州生まれ。大学を中退すると、1953年に空軍に入隊し四年間の従軍を経験。その後作家に転じ、『チャイルド・オブ・ゴッド』(1973)、『ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤』(1985)の発表などにより着々と評価を高め、“国境三部作”の第一作となる第六長篇『すべての美しい馬』(1992)で全米図書賞、全米批評家協会賞をダブル受賞した。その後、三部作の第二作『越境』(1994)、第三作『平原の町』(1998)を発表。第十長篇である『サ・ロード』(2006)はピュリッツァー賞を受賞し、世界的なベストセラーを記録した。名実ともに、現代アメリカ文学の巨匠である

黒原敏行[クロハラトシユキ]
1957年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

104
殺人鬼シガーは麻薬代金と思しき大金を偶然手にしたヴェトナム戦争帰りのモスの行方を追う。シガーは自分の世界の論理に抵触するものはすべて情無用に射殺する。モスはシガーに追いかけられて逃げ、妻とその母も巻き添えになる。シガーは死なず善良な人々が死んでゆくばかり、唖然とする。これぞマッカーシーの世界というべきか。モスが途中で出会った家出少女との長い対話が可愛すぎて結果的にこの小説の無情さを浮き立たせている。解説ではこれをしも「純文学」と呼んでいるが、うむ、と考えさせられる。 G1000 。2023/05/30

ケンイチミズバ

97
映画を見て原作も読んだ。完全ネタバレなのになぜまた読むのか、それはこの世界観に浸りたいから。再読理由のいちばんはそれ。人に不条理な死をもたらす殺し屋にも、そのしっぺ返しがラストに待っている。シガーの行いはあらゆる人を分け隔てなく死に至らしめるが、気まぐれに幸運ももたらす。神と同じなのだ。そして、人間はやはり神様のおもちゃなのかも知れない。出来損ないだから自ら危ないことをするためにのこのこ出向いて行ったり、理屈では語れない行動をする。そして上の方から神様は笑って見てる。おかしくなる一方の世の中を私も感じる。2023/04/07

sin

62
『血と暴力の国』というタイトルで扶桑社から出版された作品…タイトルの『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』出版社が違うので改題と銘打つ必要はないだろうが、そして扶桑社版でもサブタイトルのように“NO COUNTRY FOR OLD MEN”と表記されていたのだが気が付かず購入してしまった。以前は『血と暴力の国』と云うタイトルから感想が膨らんだが見るべき処は同じだ。◆英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊を読破しよう!http://bookmeter.com/c/334878 2023/03/24

ヘラジカ

59
ほぼ9年ぶりの再読。9年経ってもクライムノベルでベスト3に入れてしまうくらいに好きな傑作だ。話題沸騰中の「The Last of Us」ディレクター、ニール・ドラックマンが影響を受け、目指したのもこの小説と映画だとか。ゲーム自体『ザ・ロード』の影響が色濃いとは思うが、映像化の企画段階で敢えてこの作品の名前を挙げていたのが興味深い。バイオレンスの表現者はコーマック・マッカーシーを避けて通ることは出来ないのだろう。まさしく巨匠の凄さを体感できる一冊。2023/03/25

ベル@bell-zou

31
なにこれすごく格好いい。ソリッドな文章、逃げる男、追う男、それを辿る男。跡にはマーカーよろしく転がる死体。殺し屋シガーとガソリンスタンド店主の会話に脳内アラームが鳴り心拍数が上がる。自分だけがルール、金や欲では動かない人間ほど怖いものはない。戦場での悔いを町を守ることで贖いたかった保安官ベル。だが真には救われはしない。家族にも仕事にも、そして何よりこの国にも。諦めにも似た枯れた悲哀が物語に通底する。だからこそブレない殺し屋シガーの存在がギラリと異彩を放つのだろう。解説はテスカトリポカ佐藤究。面白かった。2023/09/02

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