内容説明
どの土地からも拒絶された人々が作り上げた町ルビー。住民たちは町に誇りを持ち、固い絆で結ばれていた。しかし、長い時を経て町に生まれた不安や怒りは、次第に憎悪と化してゆく。そしてそれは町外れの修道院と呼ばれる屋敷に住むはぐれものの女たちに向けられた。ある夜明け、武装した男たちが修道院を襲撃したのだ―。現代アメリカ文学の巨匠が渾身の力をこめて描き上げた、創世と崩壊の神話。ノーベル賞受賞第一作。
著者等紹介
モリスン,トニ[モリスン,トニ][Morrison,Toni]
1931年、オハイオ州生まれ。現代アメリカを代表する小説家。ハワード大学を卒業後、コーネル大学大学院で文学の修士号を取得した。以降、大手出版社ランダムハウスで編集者として働きながら、小説の執筆を続け、1970年に『青い眼がほしい』でデビュー。1973年には第二長篇『スーラ』で全米図書賞の候補となった。1977年の『ソロモンの歌』は全米批評家協会賞、アメリカ芸術院賞に輝き、1987年発表の第五長篇『ビラヴド』(以上すべてハヤカワ文庫刊)でピュリッツァー賞を受賞した
大社淑子[オオコソヨシコ]
1931年生、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了、同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tyfk
4
「ソロモン・パーク、オーティス・レディング、ダイナ・ワシントン、アイク&ティナ・ターナー、ダコス・ステイトン、テンプテーションズ。」p.89「《ヘイ、ジュード》」p.90「マーティン・ルーサー・キングの暗殺」p.217「《セルピコ》、《エクソシスト》、《スティング》」p.251「オーティス・レディング」p.290「ディスコ」p.305「クロスオーヴァー」p.307「〈キリング・ミー・ソフトリー〉」p.332「リトル・リチャード音楽会」p.5862023/06/24
Holden Caulfield
3
存命作家で一番好きだったモリスンが8月5日に亡くなってしまった事を12日 紀伊国屋で知る... 本書は楽しみを温存させて盆休みに読み始めた、 そんな時にモリスンの死を... R.I.P. MORRISON... 2019/08/14
オチョモコ
3
あーやっちゃった。全然場違いな音楽ホールのコンサートに足を踏み入れたような感覚。帰るべきか?どうしよう。しかし、音質もいいし重厚さを奏でてるのは確かなので、せっかくの大枚を無駄にするのも勿体ないから後学のために終わりまで座り続けた。誰にも好みや鑑定能力の差異があり、私でいうならば、アンディ・ウォーホールは好きではないが、ピカソは好きであることのように、この作品に対する好みは選択眼と能力が問われるようです。ハハハ・・・おそらく自分には10回以上読んでも理解できないような気がします。完敗。2019/04/08
takao
2
ふむ2024/09/22
Mana
1
ネットフリックスでパッシングを見て、黒人関係の本を読みたくなってきた。一時期色々読んでたけど、最近は読んでなかったなって。なんだかんだでモリスンは初。有名すぎて逆に読まない本ってある。初だったから文章に慣れていないのか、ちょっと読みにくかった。あと、過去にモリスンについての本でパラダイスの解説は読んだことがあったから、ルビーの町とかそういう大きな物語を想像してしまってた。ルビーの町に住む一人一人の小さな物語の集合体だった。一気に読むんじゃなくて、少しずつ少しずつ読んでいくと、だんだん話が頭に入ってくる。2021/12/14