内容説明
結婚するためウェールズへ旅立つまでの短い間、トリイは障害児教室の代理教員を引き受ける。そこには、いつもトリイを魅了してやまない、障害を抱えてなお生きる勇気にあふれた子どもたちの姿があった。クラス作りに没頭するトリイは、たちまち人手不足に悩まされる。そんな時に助手をかってでたのは、生徒の母親であるラドブルックだった。高慢で人をよせつけない彼女がなぜ?トリイの奮闘に心うたれる、感動のノンフィクション。
著者等紹介
ヘイデン,トリイ[ヘイデン,トリイ][Hayden,Torey]
1951年5月21日、米国モンタナ州生まれ。情緒障害児教室や福祉施設などでの体験をもとに『シーラという子』をはじめ数々のノンフィクションを著し、世界中に大きな感動を巻き起こしている。同書は世界29カ国語に翻訳され、各国でベストセラーを記録した。その他にも、心の闇を見つめる確かな目と豊かな想像力で描いた小説、精神科医の斎藤学氏との対談を収録した『子どもたちは、いま』などがある。現在はイギリスで執筆活動のかたわら農業を営み、児童心理学の研究も続けているほか、児童虐待や自殺の防止ホットラインの活動にも力を尽くしている
入江真佐子[イリエマサコ]
国際基督教大学教養学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Rin
22
【再読】単行本でシリーズを読み文庫を揃えていましたが、文庫では未登録。最近、仕事でちょっと戸惑いや気持ちの伝わらない虚しさや迷いもあり、自分を見直す機会にと再読していこうと思います。仕事では成人している人たちの支援をしているので、この本から。普段は子どもを対象にしているトリイが大人にもその手を差し伸べる。拒否されても、間違っているかもと迷いながらでも諦めない姿に。そしてラドブルックも巻き込んで、子どもたちと一緒に抱きしめて、二人で一緒に子どもに向き合う心に。自分がどうしたいかが大切なんだと実感です。2015/03/20
ゆうこ
4
『愛されない子 上』久々の新書。幽霊のような子のジェイディや、檻のなかの子のケヴィンもそうだった選択性無言症の子がまた出てきた。メインストリーミング法が施工されている時の話し。ダーキー、シェモーナ、レスリー、ジェラルディン、シェイミー、マリアナの6人の特別学級と、先生のトリィの他にレスリーの母親のラドブルックがボランティアで助手をしている。ほぼノンフィクションだからその分毎回衝撃が大きい。無言症のシェモーナと姉のジェラルディンの関係が気になる。2013/02/25
AR読書記録
3
下巻あわせて一気読み。こういう、電車に乗っていて気がつくと目的地だった、くらいにのめりこめる本もとってもありがたい。じゃあそういう本ばかり読みたいかというとそうでもないんだけれども。上巻途中から、ああそうかな、という感じになっていくけれど、メインはほとんど、「子」よりも親であるラドブルック。結局虐待の連鎖というか、愛されなかった子は愛することができない親になり、また愛されない子が生まれる。下巻にかけて次々に明らかにされていく、ラドの人生に立ち現れる困難な状況の数々には言葉がない。(感想続きは下巻)2019/07/04
きよこ
2
ノンフィクションで、結構、過酷な状況なんだけど、猛烈に引き込まれる。 続きを読まずにはいられないのは、それが物語でない、ということもあると思うのだけど、とにかくトリィの立ち向かう姿とか、ラドブルックとの友情だったりとか、子供達が確実に、トリィによってより良い場所へと変わっていく姿だったりとかするんだけど、とにかく、圧倒的に力強くて、引っ張られる。 トリィだって完璧な人間ではないのだろうけど、だけど、ああ、素敵な人だなぁ、と思う。 子供達が、少しでも幸せになっていきますように。2009/11/15
いのちゃん
1
落ち込む、、、けど、元気でる!2017/09/07