内容説明
この子はまるで幽霊だ。八歳の少女ジェイディは周りが何をやっても、まったくの無反応。体を折るようにして深くかがめ、上目づかいに人を見上げる。ある日、彼女がまっすぐに立つ姿を偶然目撃し、トリイは必死で原因を探る。やがて、次々と予期せぬ反応を見せだした少女が明かしたのは、陰惨な性的虐待をくりかえす忌わしいカルト集団の存在だった!孤独と不安のなか、トリイは少女を救えるのか?衝撃と戦慄のノンフィクション。
著者等紹介
ヘイデン,トリイ[ヘイデン,トリイ][Hayden,Torey]
1951年5月21日、米国モンタナ州生まれ。情緒障害児教室や福祉施設などでの体験をもとに『シーラという子』をはじめ数々のノンフィクションを著し、世界中に大きな感動を巻き起こしている。現在はスコットランドで執筆活動のかたわら農業を営み、児童心理学の研究も続けているほか、児童虐待や自殺の防止ホットラインの活動にも力を尽くしている
入江真佐子[イリエマサコ]
国際基督教大学教養学部卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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Rin
26
【再読】購入した文庫のシリーズを再読中。内容は覚えているけど、読み始めると飲み込まれてしまいます。選択的無言症を専門として知識や経験豊かなトリイが出会った今回の少女。話すようになって、良好な関係を築いていくうちに、信じがたい事が語られる。その内容はかなり強烈で、黒魔術を示唆する。それでも否定せずに子供のことを、その環境を真摯に考えて行動に移すトリイはさすが。真相は明らかにはならなかったけれど、別れの時に渡されたメモに書いていた一言がトリイの想いがきちんと伝わっていたのだと思わせてくれました。2015/05/18
ヒラP@ehon.gohon
13
精神病理の根深さと、つかみどころのない恐怖感に縛られてしまいました。結局何だったのだろう。読み終えて疲れました。2017/11/01
あび
4
高校の頃に読んだ。衝撃的な内容で10代の自分にはキツかった。2015/07/11
utaki
3
よく、こんな大変な職業につけるなぁ。 すごい人だと思う。 ノンフィクションだから結末がもやっとする。2015/10/29
Hisae
3
本当に、トリイさんて凄い。こんなに根気強く子供達に向き合える人って。 私はこういう話が苦手なんですよね。貧困、理不尽な暴力、特に性的虐待に晒される子供達の話を読むと、余り辛くて。でも、現実はこうした境遇の只中に、今も子供達は存在している・・。2014/03/17