ハヤカワ文庫<br> 神が忘れた町

ハヤカワ文庫
神が忘れた町

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  • サイズ 文庫判/ページ数 454p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151001031
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

何者かの罠に落ち、無実の罪で服役していた元最高裁判事のアデアは、釈放の日に獄中で命を狙われた。自分の首に二万ドルの賞金が懸かっていることを知った彼は、隠れ家を提供するビジネスを行なっているカリフォルニアの小さな町に元弁護士の男と共に逃れる。そして、姿なき敵に復讐する策を練り始めるが、彼の周囲で次々と殺人が…急逝した巨匠の代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

49
元最高裁判事アデアは罠にはめられ収賄罪で服役。15か月後、出所当日に命を狙われる。誰が何故……。出迎えた娘婿であるケリーとともに二人はある計画を胸に“神も忘れた町”ドゥランゴへ向かう。ドゥランゴの女性市長ハキンズと警察署長フォークは、高額の手数料と引き換えに隠れ家を用意していた。この4人が物語の主要人物で、前半は物語の全体像がつかみづらく難儀したけれど、中盤以降はブラックなユーモアも隠し味にどんどん繋がっていく展開を楽しみました。4人のなかでも飄々としたキャラクターのアデアが良かった。2025/03/22

maja

25
カリフォルニア州の南部、隠れ家を提供する裏ビジネスで運営されている町ドゥランゴ。グレイハウント・バスさえ来ない小さな町で繰り広げられる元最高裁判事と義理の息子である元弁護士のいわば復讐戦。ある6月最後のその日、雲間から景色が見えてくるように一気に広がっていく。それぞれの人物造形も豊かで流れ着いた元ヒッピーの市長と警察署長という設定などが効いている。登場人物たちが向かう温度感がさまざま際立つ本作だった。2025/02/10

藤月はな(灯れ松明の火)

23
突然、嵌られて全てを失った上、賞金首にもなっていることを知った最高裁判判事は同じ境遇であった者と共に自分達を貶めた者への復讐のために正体を見極めるための調査を続けていたが関係者は次々と死んでいく。「赤い収穫」、「風が冷たい日に」を思い出す内容ですが小粋な会話によってフェアプレイを重んじる男と自分を守るための狡猾さを持つ女の対比が際立っています。ラストのスピード感と最後の一文のコミカルさが可笑しいです。装丁が辰巳四郎氏であることも儲け物でした。2012/11/14

harass

15
ロストーマス晩年の作品。何者かの罠にはまり無実の罪で服役していた元最高裁判事は、釈放の直前で命を狙われ、自分の首に賞金がかかっていることに気がつく。隠れ家の運営で市の財政を賄う女性市長と警察署長の助けを借りて、相棒である元弁護士とこの窮地を脱しようとするが……  抜群の人物造形と会話。今回読書の中断が多かったせいで、展開として敵なのか味方なのか途中で変化したのかをぱっと思い出せず戸惑った。類型的なキャラをわざと作らないので展開を大雑把に追うことができない。どうもこの作家は一気に読まないといけないと再確認。2013/08/28

duzzmundo

14
再読。シリーズものでないロストーの単発ものとしては、ベストかもしれないおもしろさ。その分、プロットの複雑さもいちばんかも。ワケありの人々を匿う町にやってきた無実の罪で服役していた元最高裁犯罪。巻き起こる殺人事件。殺人犯、そして元判事の狙いとは? という感じの話で、全450ページ中、判事の服役理由が170ページくらいまでぜんぜん明かされないという、ロストーらしい展開です。どれもおもしろいので、あらためて絶版で未読の残り2作くらいを読みたいと思いました。でも、4000円くらいするんですよね・・。2023/10/07

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