内容説明
いかがわしいグリーティング・カードを作って暮らしているアート・ドッジは、離婚歴のあるプレイボーイ。双子の美人姉妹に惹かれた彼は、自分も双子だと偽って、姉と妹に取り入っていく。そして二人の心をつかむと、彼女たちが相続する莫大な遺産までも手に入れようとたくらみ始めた。ところが、一人二人は問題だらけ。果たして、彼の計画は成功するのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
57
「ドナルド・E・ウェストレイク誕生日読書会’20&第160回海外作品読書会」双子の美人姉妹に惹かれたプレイボーイの主人公は、自分も双子だと偽って、姉と妹両方と付き合い始める。そして二人の心をつかむと、彼女たちが相続する遺産までも手に入れようと企てるというシチュエーション・コメディっぽい出だしだけれども、どんどんと思わぬ方向に進み始め最後はブラックな終わり方。後味あまりよろしくない上、主人公にも共感出来ないんでドートマンダー・シリーズが好きな自分にとってはチト残念。2020/07/15
雅
46
ドタバタコメディかと思ったらブラックな展開。らしいと云えばらしいかな⁈2021/06/14
bapaksejahtera
11
ウェストレイクのノン・シリーズの一つ。女たらしの主人公が双子の金持ち姉妹に目をつけ、なんと自らも双子と偽って彼らをモノにする事から始まるコメディー。ドートマンダーの軽妙さと俳優強盗グロフィールドの愛嬌を合わせたような主人公は、二人より更にいい加減に世を渡る。小説は終始都合の良い展開で進む。おしまいは何人かが亡くなるブラックな展開となる。結局は"これで良かったんじゃない?”というような結末だった2021/10/16
Inzaghico (Etsuko Oshita)
5
ウェストレイクらしい毒を含んだ怪作。 この主人公、ものすごい色男で、親友の奥さんと通じていながら、美人双子姉妹の両方をものにしようと頑張ってまんまと成功するのは大したものだ。欲しいものを得るためにはまめになるのも厭わない、という性格が幸いしたのだろう。両方を得たいがために、自分も双子を演じるなんて、涙なくしては見られない(笑)。最後に計画が破綻するかと思いきや……。 こういう破天荒な物語好きだなあ。人生、バクチ打つと勝つものなのね。 2018/11/03
負け猫
2
双子の姉妹に、自分も双子だといい、二役やりながら、姉妹二人と付き合い、そしてら彼女達の資産までも狙うこの悪い主人公。バタバタしつつもうまくやり通すあたりや、そんなコメディだと思って読んでるとラストが怖いあたりが、非常にウェストレイクらしいと思った。2013/10/08