ハヤカワ文庫<br> 八番目の小人

ハヤカワ文庫
八番目の小人

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 456p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784151000027
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

戦時中ドイツで行方不明になった富豪の息子を捜し出せ―金儲けのために手を組んだ元OSS大尉ジャクソンと小人の悪党プルスカーリュ。しかし二人の追うその息子とは、米英ソ三国がそれぞれの思惑で必死に捜索中の凄腕の暗殺者だった。第二次大戦直後の混乱のドイツに展開する追跡劇―クライム・ノヴェルの最高峰が贈る傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maja

21
1946年のLA、元OSS大尉ジャクソンの欧州行きは英国諜報関係の仕事をしていた小人がどんな手配をするかにかかっていた。戦中ドイツで失踪したユダヤ人富豪の息子を捜す元大尉と手練の小人ニック。しかし行方を追う男は米英ソがそれぞれの思惑で手に入れたいと狙う凄腕の暗殺者であって・・。第二次大戦直後のドイツ、広がっていく展開に複雑に入り込むあれこれ。思惑混みあうテンポのよい会話にぐいぐいと惹き込まれて流れに乗って楽しむ。解説を書いているのは田川律氏。再読だ。2025/01/29

harass

17
終戦直後の欧州を舞台にしたスパイもの。ドイツの富豪から息子の行方を探す依頼をうけた主人公たち。実はその息子は英米露から行方を追われている有名な暗殺者だった。訳者が藤本和子だった。英文学よりの有名な訳者がこの作家の訳を数冊やっていたのだなと最近になって気がついた。再読してこの著者に惚れなおした。相変わらず登場人物の造形が素晴らしい。サブキャラたちも主人公たちと同等の深みがあり、会話も面白く、ロストー節にニヤニヤしてしまう。話の展開は王道を外していてそのスカシ加減に感服。2013/08/08

kokada_jnet

14
ロス・トーマスはノーチェックでした、すみません。クライム・ノベルなんてものじゃない。全編、奇妙でいかれた出来事しか起きない、狂騒コメディ作品。メキシコやアメリカが舞台の前半はさほどでもないが、アメリカ軍占領下のドイツに舞台が移ると、クレイジー度がまし、「キャッチ=22」の後半のイタリア売春街を彷徨する場面を連想するぐらいの、不条理劇の連続となる。小人が言い放つ「ドイツ人は密告する時に快感を感じる民族なんだ」というのは、この小説発表の10年後に、警察国家・東ドイツが崩壊して、あらためて証明された事実。2016/02/28

kokada_jnet

11
筒井康隆がジョン・ル・カレと共作したような作風。2016/02/29

duzzmundo

9
再読。ロストーの単発ものです。もしロストーが存命だったら、この小人を主人公にした作品を書いてたような気がします。例によって混み合ったプロットですがなかなかおもしろいです。あらためて読んでみると、ロストー作品の中では佳作くらいでしょうか。ロストー読み返し企画もあと一作で終了。なぜならあとは絶版で手に入れられていないので。最近、新刊を出してくれた新潮さんに期待。2023/11/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17554
  • ご注意事項

最近チェックした商品