内容説明
愛するベルの死の衝撃から立ち直れないアウトロー探偵バークの許へ、幼なじみのキャンディから突然連絡が入った。怪しげな秘密教団に囚われた彼女の娘を助け出してくれという。超一流の売春婦になったキャンディの変貌ぶりに驚きつつも、バークは教団に赴き、娘の救出は成功したかに思えた。が、彼の前に恐怖の殺し屋ウェズリイが立ちはだかった。ニューヨークの暗黒街で非情な獣たちが闘いの血を流す、シリーズ第四作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
72
これは「ブルー・ベル」の後日譚というかもう続編だなあ。続けて読んで正解だった。今回はマックスの出番も多く嬉しい♪ けっこうさらっと無慈悲な展開をカマすけれど、氷になりたくてもなりきれないバークとファミリーの面々にガッチリハートを掴まれてしまう。ピカレスクというには最後の最後にゃ善人ぶるキャラ造形が甘いんだよな、という評価も耳にしたが、それこそが本書の魅力であり、わたしが求めるものだ。2019/12/15
GAKU
66
アウトロー探偵バークシリーズ第4作。前作「ブルー・ベル」でベルの死から立ち直れないままのバーク。そんな彼に幼なじみで超一流の娼婦となったキャンディから、怪しげな秘密教団に囚われた娘を助け出して欲しいとの連絡が。そこに恐怖の殺し屋ウェズリイがバークの前に立ちはだかる。彼の目的は?ニューヨークの暗黒街で非情な獣たちが闘いの血を流す。「ブルー・ベル」の後日譚としてはこれ以上ない出来でした。やはりこのシリーズは良いですね。私大好きです!今回は特にマックスが渋かった。⇒2016/11/18
くたくた
49
ベルを喪って心が惑うバーク。虐げられた者を守ろうとする行動は則を越えて、もはや誰もがバークを殺し屋だと見なしている。怪物ヴェズリイがいう。「どうしようもないやつらがいるもんだ、バーク。だが、おまえは盗人なんだ―――早く本職に戻るんだな」 合わせ鏡のようなバークとウェズリイ。バークはウェズリイのようになりたかった。だが、人間は結局自分以外の人間にはなれないもの。バークの弱みや甘さは彼自身である証拠、そして一方のウェズリイの方も、きっとバークになりたかったのだろうな、とも思う。2021/07/04
Ayah Book
19
バークさんシリーズ第四作。今回はベルちゃんを失って、傷心のバークさん。ことさらに嘆き悲しむわけじゃないけど、バークさんの悲哀が切々と伝わってくる。そしてついに登場したウェズリイ。強烈なキャラクター。マックスの次に好きかもしれない。「おれはあんたになりたかったんだ」バークさんの気持ちもわかる。ストーリーはあまりないけど、じんわりと心に染みる良作だった。マックスも沢山出るしね。2023/11/20
bapaksejahtera
13
アウトロー探偵バークの許に新興宗教から娘を取り戻してほしいと依頼が入る。依頼者はなんとグレだした頃旧知の女性だった。その後この依頼女性以外にも不良少年時代の仲間が登場。このシリーズは最初の作から順に読まないと、感興が大いに薄れることに気がつく。尤も筋に従いて行けないような不親切なことはない。先行作品を受けバークの気分は暗いまま。元来は悪漢共からの金員詐取を業とするバークが今回は殺し屋に変身したかと感じる。少年少女を誘拐して赤ん坊を作らせ売り払う気の重い犯罪、私的制裁や大量殺戮が頻りに出来。読み手も暗くなる2020/08/15