内容説明
地下室から噴き出した火は、あっという間にペラムを取り巻いた。猛火に包まれた階上からはエッタの悲鳴が…マンハッタンでドキュメンタリー映画を製作中のペラムだが、主役の老婦人エッタのアパートが放火で全焼する。エッタはなんとか一命をとりとめたが、放火の容疑は彼女自身にかけられた。無実を信じるペラムは調査を始めるが、事件の裏には陰謀が!映画ロケーション・スカウト、ジョン・ペラムが大都会を疾駆する。
著者等紹介
ディーヴァー,ジェフリー[ディーヴァー,ジェフリー][Deaver,Jeffery]
1950年シカゴ郊外の生まれ。11歳の頃から小説を書き始め、ミズーリ大学ではジャーナリズムの学士号を取得した。さまざまな職業を経た後、1989年に『汚れた街のシンデレラ』でデビュー、1990年からは専業作家となる。1995年の『静寂の叫び』、1997年の『ボーン・コレクター』などで絶讃され、世界的なベストセラー作家となり、その作品は25カ国語に翻訳された
渋谷正子[シブヤマサコ]
1957年生、早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
48
ジョー・ペラム シリーズ第三弾。連続放火の主犯として逮捕された老女を救うため奮闘する元ロケーション・スカウトの姿が描かれます。キューバ系ギャングとアイルランド系ギャングの抗争に巻き込まれたり、連続放火犯につけ狙われたりと本作のペラムは三作品の中では一番ハード(そんな中でもラブアフェアきっちりと入ってます)。老女を含めて腹にいちもつある面々がもつれ合って、誰か味方か敵か、判然としないスリルがあります。本作はどんでん返しが三つほどあって、ラストまで気を緩めることができません。これで完結?はちょっと惜しいかも。2021/10/09
Fondsaule
21
★★★★☆ ジョン・ぺラムシリーズ第3作。 ニューヨークのヘルズ・キッチンでドキュメンタリーを撮ろうとしていると、放火に遭遇する。 今回はガソリン放火魔が相手だ。 2022/11/24
siva
14
ジョン・ペラム最終巻。前2作からかなり間があいて決着、というか区切りをつけた話。ロケーションスカウトを辞めて作る側に回ったペラム、ドキュメンタリーの主題に据えていた女性が放火で逮捕されたことで動いて行く。ライムシリーズと違ってサスペンスではなく、主人公と同じくどこか現実に距離をおいてひょうひょうと進んで行く展開です。でもラストでライム以降のディーヴァーが顔を出したよ。ああ、そうだったのか。2015/04/16
青葉麒麟
9
連続放火魔の設定は面白かった。しかし妙な所に拘るもんだなぁ。2011/11/25
Tetchy
9
ジョン・ペラムシリーズ3作目。なんと9年ぶりの刊行だ。彼の初期のシリーズが今や彼の看板作品となったリンカーン・ライムシリーズを経て、どうかわったのかが興味を惹いたが、意外にも息を吐かせぬ危機また危機の連続やタイムリミットサスペンスではなく、このシリーズの前2作同様に主人公のジョン・ペラムがじっくりと訪れた町を彷徨し、町に隠された貌を知っていく作りになっている。しかしこれは彼のファンならば逆行したように不満を感じるかもしれない。しかしヘルズ・キッチンが今クリントンって呼ばれているとは知らなかったなぁ。2011/08/02