出版社内容情報
マイクル・Z・リューイン[リューイン マイクル ゼット]
著・文・その他
石田 善彦[イシダ ヨシヒコ]
翻訳
内容説明
半年以上入院したまま、面会謝絶となっている弟の様子を調べてほしい―探偵サムスンに舞い込んだ奇妙な依頼。製薬企業でセールスマンとして働く男が研究所で爆発事故に遭って以来、なぜか会社の関係施設の診療所で管理されているというのだ。サムスンは十数年ぶりに再会した実の娘サムとともに謎を追う。巧みなプロットと軽妙かつ滋味あふれる筆致で私立探偵小説史に刻まれる不朽のシリーズ、最高傑作。
著者等紹介
リューイン,マイクル・Z.[リューイン,マイクルZ.] [Lewin,Michael Z.]
1942年アメリカのマサチューセッツ州生まれ。1971年に『A型の女』で小説家デビュー。“アルバート・サムスン”シリーズや“パウダー警部補”シリーズなど数々の傑作を世に送り出す。現在イギリスのバース在住
石田善彦[イシダヨシヒコ]
1970年早稲田大学法学部卒、2006年没、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@the_booby
57
長いものにはすぐ巻かれる、脅される前に屈する自身を振り返るとアルバート・サムスンは徒手空拳で立ち向かう心優しき探偵。納得できない事に我慢が出来ず突き進むのだ。お金はないけど・・・。彼女が可哀そうだったからだね。あんなにボコボコになりながら、あんた漢だよサムスン。サムが警官となって帰ってくる「父親たちにまつわる疑問」も読まなきゃ。2023/11/07
うまる
32
米澤氏推薦て事で読んだけどハマらず。最初は主人公を微笑ましく感じたんですけどね。本人は至って真面目なのに、チグハグな感じで笑いを誘う所や言い回しは、小鳩&折木に通じる所があると思いましたし。でも段々、犯罪行為も暴力も何でもありになったので、微笑ましいおじさんから許せない自己中おやじに転じて笑えなくなりました。任務や誰かの為ではなく、自分の好奇心を満たす為だけに、周りに迷惑かけまくるなんてクズやん。生き別れだった娘にも散々酷い態度とってたのに、最後だけ父娘良かった感だされてもねぇ。これがシリーズ最高傑作?!2022/10/17
シキモリ
27
<私立探偵アルバート・サムスン>シリーズ初読み。非タフ&マッチョな温厚で小市民的なキャラクターという先行イメージの所為なのか、思いの外頑固で直情的な人物造形に少々面食らう。ハードボイルド直系の錯綜した人間関係に加え、驚きの真相が飛び出すトリッキーなプロットといい、今作がシリーズ最高傑作と呼ばれるだけのことはある。宮部みゆきさんの<杉村三郎シリーズ>の元ネタだけあって、作中の雰囲気に馴染みやすかった。ラストで炙り出される日常に潜む人間の悪意など、宮部さんや米澤穂信氏が影響を受けたというのも確かに納得出来る。2022/11/13
本木英朗
21
アメリカの現代ハードボイルド作家のひとりである、マイクル・Z・リューインの長編のひとつである。もちろん俺は、今回が初めてだ。半年以上入院したまま、面会謝絶となっている弟の様子を調べてほしい――探偵サムスンに舞い込んだ奇妙な依頼。サムスンは十数年ぶりに再会した実の娘サムとともに謎を追う……という話である。話は一応読んでいた通りだったが、それでも俺的にはちょっとねえ、という感じです。これだったらもういいや、この作家。……とりあえず以上です。2022/12/05
bapaksejahtera
15
拳銃を持たず心優しい男。離婚問題にも喜んで相談に応ずる探偵サムスンが主人公のシリーズもこれで4冊目。未訳もあるようだから残りは1作しか残っていない。今回は仕事がなくなり相談料大幅値下げした所にやってきた女性の案件。弟が仕事上で事故に遭い人事不省になったが、会社が病院での面会を拒む、という訴え。初めて主人公の18になる娘が登場し助手として働き出す。初めのうちは権利関係など法律的な交渉事であったが、段々きな臭くなる。どうも事故には裏があるようだ。サムスンが警官を殴る場面等一味違ってくるがお気軽作品には違いない2022/10/18