内容説明
父親が消えたと失踪人課に訴えにきた十二歳の少年の話を聞き、その家に出向いたパウダー警部補は異状に気づいた。写真や手紙はおろか身元を示す書類が全くないのだ。交友関係もなかったらしい。パウダーは出所したばかりの息子の行状に頭を悩ましつつ、この奇妙な失踪事件を調べていく…。一方、車椅子の女刑事フリートウッドは身障者だけを狙う殺人鬼がいるという訴えをうけていた…パウダー警部補シリーズ第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
21
パウダー警部補シリーズ3作目。いろいろな事件がオムニバス的に起こり、ラストに向けて少しずつまとまってくる。淡々と進む物語。口数が少なく辛辣なパウダー。脚が悪く車椅子に乗ったまま勤務する、彼の恋人の部長刑事。ハードボイルドではないが、からりと乾いたシリーズでついつい読んでしまう。2016/01/08
bapaksejahtera
13
パウダー刑事シリーズ第3作でこの続きはない。前回大怪我を負って尚赫々たる武勲を挙げた3年後、失踪人課の人員は増加した。相変わらず車椅子のフリートウッドと共に幾つも持ち込まれる案件の調査に当たるパウダー。主人公の相手構わず喧嘩を売る態度は変わりないが、何となく「お約束」のような振る舞いに感じる。ややブレがあるようにも思える。12歳の少年が家からいなくなった父を探して欲しいとの依頼が中心で面白いが、これがFBIや他部署の縄張りを犯す事になる。死亡率統計から異常事態を嗅ぎだす部下の事件予測はやや竜頭蛇尾だった。2022/10/28
のざきち
10
パウダー警部補シリーズ第三作。前作「刑事の誇り」同様次々と持ち込まれる調査依頼(息子を残し失踪した父親、カルト教団に入信した娘、身障者を狙う殺人鬼等々)に対処する、規模拡大した失踪人課の面々。パウダー自身も昔の彼女が突然現れたり、仲違いしていた息子との絆を取り戻そうとしたりと相変わらず安息の間もない。作品自体は安定の面白さですが、本作がシリーズ最終作となっているのは残念です。2020/02/01
おくちゃん
7
パウダーシリーズのラスト。う〜ん!1作目が1番だったかな。 パウダーの優しさに触れた作品でした。2022/12/31
shiaruvy
5
★4.5 「1996.05.15 初版」 実はサムスンものよりパウダーもののほうが人間身に溢れ好きなんですわ♪ 皮肉屋のいけ好かないくそ親父のパウダー警部補に乾杯!!2012/03/30