内容説明
若い女性が指を潰され、絞殺されるという事件が相次いで起きた。捜査にあたったインディアナポリス市警のパウダー警部補は、ふたつの殺人の関連を追い始める。その矢先、女子学生が謎の失踪を遂げた。錯綜する事件の裏にはいったい何が。都会の夜を守る辣腕刑事パウダー登場。現代ハードボイルドの雄が、私立探偵サムスンを脇役に配し、怒り、迷い、恋に悩む男の姿を描く傑作警察小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
76
【パウダー警部補シリーズ】第1弾。探偵サムスンシリーズで、少し登場したパウダー警部補が主人公、サムスンが本シリーズではチョイ役、友情出演という所だ。ミステリとしては謎解きを必要としておらず、パウダーのキャラの濃さで読む物語だろう。舞台はインディアナポリス、この街の夜勤専属の警部補が彼である。若い女性が殺され指を潰されて発見され、更には連続殺人となる。この中年の生活感、怒りや焦り、そして恋の悩みと描かれる。やっぱり私にはこのタイプ、苦手で仕方がない。ドーヴァー警部の様に、ブラックユーモアなら楽しめるのだが。2022/12/14
遥かなる想い
71
私立探偵サムスンシリーズから枝別れしたパウダー警部補シリーズ第一弾。 謎解きを楽しむというよりも、むしろパウダー警部補自身の個性描写を前面においたハードボイルド小説である。ただ、逆に犯人割れがいくぶんあっけなく、推理小説を期待すると、物足りないというのが正直なところである。
きゃれら
23
久しぶりの再読。リューイン作品では、アルバート・サムスンシリーズが気に入っていてパウダーものは今一つ…、だったのだけど、単に読んだ時の自分が若かったんだなと思う。今回は抜群に面白かった。主人公の発言、行動がいちいち腑に落ちる。自分がこういう言動をすべきだとまでは思わないけど、言いたいことはよくわかるよ、的な。解説で北上次郎氏が言う通り、仕事に何らかの思いがある中年男性応援歌になってるんだろう。元気が出た。もはや入手困難のあと2冊はどうしたものか。2022/10/26
bapaksejahtera
13
同著者の探偵サムスンシリーズにサブキャラで登場した、専ら夜勤に張付くパウダー警部補が主人公の第一作。サムスンもチョイ役で登場する。パウダーは19年間も19時から明くる3時までの深夜シフトを続け、これが性となった、いつも中っ腹偏屈な中年刑事。勿論カミサンとは不仲で本作中に逃げられてしまう。夜間にシフトされた理由は余り書込まれないが、不正を内部告発した為という。舞台であるインディアナポリスで女性の連続殺人が起こる。この捜査が筋の中心であるが、全体に中年刑事の「生活と意見」の如きゆったりした書き振りが好ましい。2022/10/14
おくちゃん
12
昔から気になっていた作家さんです。初めて読みました。今まで読んできた作家とは一味違う趣でした。嵌りそうです。2022/11/13