内容説明
モンタナの場末のバーで酒びたりの日々を送る私立探偵のC・W・シュグルー。そんな彼のもとに持ち込まれた仕事は、幼い頃に生き別れになった母を捜してほしいという暴走族のボスからのものだった。わずかな手がかりを追ってメキシコ国境へと辿り着いたシュグルーを待ち受ける、哀しい真実と過酷な運命。現代アメリカ文学界に屹立する作家が十年の沈黙を破り発表した、名作『さらば甘き口づけ』の続編。ハメット賞受賞作。
著者等紹介
クラムリー,ジェイムズ[クラムリー,ジェイムズ][Crumley,James]
1939年テキサス州スリー・リヴァース生まれ。ジョージア工科大学を卒業後、兵役を経てテキサスA&I大学に進み、続いてアイオワ大学のライターズ・ワークショップに学ぶ。69年に『我ひとり永遠に行進す』でデビュー。その後、『酔いどれの誇り』『さらば甘き口づけ』『明日なき二人』など、寡作ながら高水準の作品を世に送り出し、現代アメリカ文学界最高の作家の一人に数えられている
小鷹信光[コダカノブミツ]
1936年生、早稲田大学英文科卒、ミステリ評論家、翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パカゲニー
3
ジェイムス・クラムリーのC・W・シュグルー シリーズ。ウェスタン映画のような派手な撃ち合いは痛快だが評価の分かれるところ。探偵小説というよりヒーローアクション小説。 しかし退廃的な魅力は相変わらず、彼の作品はドラッグのような中毒性がある。次がよみたくなる。 2020/06/30
Satoshi
3
探偵シュグルーシリーズであるが、前作のさらば甘き口づけと似て、アル中でコカインやりまくりの中年探偵がベトナム戦争のトラウマを引きずりながら事件を解決するわけでなく、ただ周りに流されるがまま物語が進む。ハードボイルドというよりロードムービーみたいな様相で、所々に戦闘アクションがある。最後に仲間が集まったところなどは胸が熱くなったが、プロットが分かりにくいし、展開は突然転換するし、無駄なアクションシーンにはあまり興奮しないしと、読みにくい作品である。2016/10/10
Tsutomu Yamamura
0
私立探偵の人探しが、なんでこんな戦争みたいなことになるのかと思いながら読みました。と、ふと思いついたのですが、1990年頃の主ワルツネッカーとかのマッチョ的B級映画の展開だなと。翻訳者の解説に「年寄りのランボーみたいなドンパチもの、との批評もあるが・・・」とあって、納得。まさにチープなランボーだね。2016/08/18
多摩犬
0
探偵小説というよりはベトナム戦争後遺症小説ですね みんな酒飲んで麻薬やってセックスして殺しあう 邦題より原題のメキシカンツリーダックのほうがよかったんじゃないのかな オチ的に2015/09/28
H.Sato
0
このミス1997年版海外編第5位。 古本が高値で、図書館で借りた。初クラムリー。 私立探偵ものということで期待して読み始めたが、自分には合わなかったようだ。ところどころ面白く読み進められるページはあったものの、全体を通して話がよくわからなかったし、人死にが多い。クアーズは飲みたくなったが(笑) C2023/04/29