ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 死の味〈上〉

ハヤカワ・ミステリ文庫
死の味〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150766085
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

教会の聖具室で血溜まりの中に横たわる二つの死体は、喉を切り裂かれた浮浪者ハリーと元国務大臣のポール・ベロウン卿だった。二人の取り合わせも奇妙だが、死の直前の卿の行動も不可解だった。突然の辞表提出、教会に宿を求めたこと…卿は一体何を考えていたのか?彼の生前の行動を探るため、ダルグリッシュ警視長は名門ベロウン家に足を踏み入れる。重厚な筆致で人間心理を巧みに描く、英国推理作家協会賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

201
1988年このミス海外第3位。 昔ながらの 推理小説の伝統をいく印象の 展開である。 上巻はベロウン卿殺人事件に関連する人々の 人物描写にひたすら 費やされる。 著者の重厚な筆致は ベロウン家一族 各人の 心理描写に含みを持たせ、誰もが 怪しく思わせるのだが ..殺されたポール卿の母 レディ・アーシュラの 存在感が抜群で ベロウン家一族の象徴のよう ..さりげなく散りばめられた謎がどう結実して いくのか?下巻の展開が楽しみ。2017/05/12

ケイ

111
最初に登場したウォートン嬢とダレン少年がとても魅力的。教会で死亡した浮浪者とベウロン卿の死因を調べる刑事たち。死亡するまではとても胡散臭かった准男爵の周りは、動機に溢れた人ばかり。地位と名声と美が絡むと、こうも愛は少ないものだろうか。このあとも、どんな醜い人間関係がでてくることやら。2016/10/19

nakanaka

85
上巻だけでもかなり面白かったです。犯罪者側からはヤードで最も危険な人物と目されるダルグリッシュ警視長が主人公です。キレ者の彼がとても格好いいのですが警視長といえばかなりお偉いさんのはず。直接現場に出向くものなのかなと疑問に思ったりもしましたがお国柄なのでしょうか。下巻が楽しみです。2017/03/28

セウテス

84
【ダルグリッシュ警視シリーズ】第7弾上巻。〔再読〕教会で前国務大臣であった貴族ベロウンと、ホームレスの男が血まみれの遺体で発見される。ベロウンは大臣を辞任したばかりだが、彼の家に関わる3つの不審死について怪文書が流れている。自殺か殺人か、ダルグリッシュはベロウン家一族に関係があるのではと捜査を始める。上巻は主にベロウンを取り巻く政治の闇と、息子の死よりも名家の存続に執念を燃やす母親の使命感など、人間関係が中心の物語だ。こうなると、ミステリの形の人間文学と思った方が間違いなく、本格好きにはお薦め出来ない。2021/03/25

NAO

71
教会の聖具室で発見された、浮浪者と元大臣ベロウン卿の死体。浮浪者と元大臣という取り合わせの奇妙さ。過去には、ベロウン家と関わった二人の女性の謎の死。現在は、突然辞任し、教会の聖具室で宿泊するというベロウン卿の不可解な行動。ベロウン卿は自殺したのか。殺害されたのか。なかなか話は進展しないまま下巻へ。2019/12/10

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