内容説明
六年前、デヴィッドは妻を射殺した容疑で起訴され、裁判で無罪になった。しかし妻の前夫は、裁判直後にデヴィッドから犯行を匂わす話を聞いたという証人を捜し出し、わたしに再調査を依頼してきた。が、どうしても彼のアリバイが崩せない。裁判所への出訴期限が迫り焦るわたしに、デヴィッド本人が接触してきた…過去に眠る真実を追い、キンジーはかつてない試練に挑む。ミステリ界をリードするトップ・シリーズ第九弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
79
裕福な妻を残酷に銃殺した夫は有罪だったのか? 六年前の事件を調べることになったキンジー。作品自体が昔のものなので、コンプライアンスもなにもあったもんじゃない。けれどこの時代のアメリカの生活が垣間見れて何だかワクワクしてしまう。最後の銃撃戦も痺れた~(≧◡≦)2023/02/24
bapaksejahtera
13
6年前に妻殺しで起訴された夫は、辛うじて無罪となっていた。被害者の前夫は、民事不法行為で損害賠償責任裁判を起こす。キンジーは事務所を与えられていた保険会社の重役と喧嘩の末、事務所を追い出されていた。代りにつてを頼って事務所を置かせて貰った弁護士事務所で、上記被告を弁護する為の調査を受けたのが始まり。シリーズの例の通り、女性の社交術を駆使した調査で事情を明らかにして行くスタイルだが、本作はとりわけモチャモチャした進行を、読者は我慢する事となる。だが絡み合う筋と逆転の連続は、その努力に報うに十分な作品だった。2023/09/26
b-tamn
4
必要とあらばいくらでも嘘をつくことで有名な(!)キンジーがクライマックスで嘘つきの称号に助けられ、別の1人は真実を語っているが,普段の行いとその態度から信用されず挙句に気の毒なことになる。嘘つきと信用されないこととは大きく違うのね、と本筋とは違うことになるほどと思ったりする。 しかし何と言っても本書の肝は、80代のウィリアムと60代(推定)ロージーの今後の恋愛模様ではないだろうか。 ヘンリの「ロージーは、ウィリアムには若すぎる!」の一言に爆笑。2017/02/25
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
3
☆×3.5…平凡な作品だけれども、ある事件に使われたあるものについては興味がもてました。よく調べてるなあ、と。ただし、訳にミスがあったのは痛いところ。厳密に言えば「アマニタ」です。今回は少し考えさせられる作品です。最後にまさかああ来るとは思いませんでした。2010/07/10
Kitinotomodati
2
やっと『I』まできた。私にとってハードなコージー?とても読みやすいし、いつも一定以上の満足感が得られる。2020/03/04