内容説明
なんとも奇妙な展開の事件だった。遺産相続のため、居場所のわからぬ姉を探してもらいたいとの依頼。その女性はサンタ・テレサとフロリダにコンドミニアムがあったが、行方は杳として知れなかった。だが、聞き込みの調査を進めるうちに、一方の管理人室に強盗が押し入るという不穏な事態が発生し、また近所でも数カ月前、無残な強盗放火事件が起こっていたことが判明した。さほど複雑とも思わなかった事件は意外な様相を呈してきた。アメリカ私立探偵作家クラブ賞、アンソニー賞両賞受賞作。注目の女流のキンジー・ミルホーン・シリーズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
64
キンジーシリーズ第2弾。本シリーズは、依頼→地道な捜査→急展開→トリックの解明→危機一髪という基本パターンとなる。ハードボイルドであり、探偵ミステリとしてもシッカリしている。今回キンジーは、連絡のとれない姉を捜して欲しいとの依頼を受ける。しかし行方は杳として解らないばかりか、怪しげな人物が現れたり、近隣で放火殺人事件が起きていたりと、謎は深まって行く。読みやすいのにキッチリと読みたくなり、知らず知らず「早く行け」等と声をかけていたりする。伝統的なトリックなので、キンジーより先に謎を解くという優越感も良い。2017/10/03
bookkeeper
41
★★★☆☆ 再読。行方が分からなくなった姉エレインを探して欲しいとの依頼を受けて、調査を開始したキンジー。エレインが姿を消す前に、近所で放火殺人が起きているのだが…。 キンジー・ミルホーンシリーズ第2作。人と如才なく折り合えて、警察と無用に敵対せず、男勝りでもない。とんがったところが無い、自立した女性探偵ものです。事件の真相に至るまでの展開と、クライマックスのスリリングな対決まで堅実な展開を楽しめます。犯人はかなりクセが強い。引くわ…。 「私は本気よ。女だから非力で助けが要るなんて、もう時代おくれよ」2020/05/04
ほりん
29
女私立探偵キンジー・ミルホーンのシリーズ2作目。始まりは失踪した姉を探してほしいという依頼だったが、本人は見つからず、奇妙な事件がいろいろと起こる・・・。登場人物が一人一人、個性的で、特に一癖ある女性たちが面白い。これだけたくさんの人物をしっかり絡み合わせて物語にするのは、職人芸だ。人物描写も情景描写も実に細かくて、様々なヒントが隠されている。キンジーの仕事ぶりも同様で、丹念に証拠を収集し、細部を大切にすることから突破口を見つけ出す。繊細でタフなキンジーの活躍を、また読んでみたい。2015/02/26
bapaksejahtera
15
前作が気に入って本作を手にする。女性探偵キンジーの許に女性が現れ、遺産相続要件を理由に姉を探してほしいという依頼。探偵は早速市内の住宅を尋ねる。姉は失踪しており最後に姿を見たという丁度その頃同じコンドミニアムで殺人と遺体損壊事件が起きていた。探偵は失踪者を追ってフロリダにも赴く。捜索依頼者とその夫の異様さは小説で最後迄捨置かれる不自然さが残るが話は快調に進み、射撃も格闘も得意とは言えない主人公は何とか事件を解決する。女の社交振りを大いに利用した捜査には段々慣れてくるし心地よささえ感じる。次が読みたくなる。2023/06/05
akiko
6
キンジー好きだなぁ!ストーリーも面白いし、登場人物も楽しい。でも誰が犯人か、とてもいい人みたいだけど騙されてるかも?と読んでいると、みんな怪しく思えてきた。次はC!♪♪♪♪2018/09/26