内容説明
瀕死の少女はヴィクを見ると「ナギー」とつぶやいて意識を失った。少女は病院に搬送されたが、数日後に姿を消してしまう。警察は少女から渡されたものをよこせと執拗に迫るが、ヴィクには心当たりがなかった。警察に調査を妨害されながら、ようやく少女の家を突き止めたヴィクは、そこで謎の男に襲撃される。警察だけでなくマフィアも少女を追っているようで…。シカゴの闇と対峙するヴィクの闘いが熾烈さを増してゆく。
著者等紹介
パレツキー,サラ[パレツキー,サラ] [Paretsky,Sara]
1947年アイオワ州生まれ、カンザス州で育つ。現在はシカゴ在住。1982年に“V・I・ウォーショースキー”シリーズの第1作『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同ダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。2011年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のグランド・マスター賞に輝いた
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tom
24
それなりに楽しむ。読みながら、ビクが何歳なのかが気になる。調べてみると、初出時32歳。一作ごとにおおよそ1歳加算されるらしい。そして、この本は21作。それなら彼女は53歳なのだ。まだまだ若い。日ごろから鍛えていたら、この本に出てくるような体力の修羅場を乗り越えることができるのかも。でも、53の歳ですぜ。どれだけ体力と気力があっても、今回のようなこと無理じゃないかと・・・(笑)。2024/06/11
Mc6ρ助
19
『害虫とつきあうときは、自分自身が害虫になったりしないよう、くれぐれも用心しなくてはならない。(p76)』今回も入院を免れたV.I.、自分の年齢を言わなくなったが、ミスタ・コントリーラスは90歳になんなんとする。ところで、登場人物紹介にマリ・ライアスンの名前がないのはなんなんだろう、今回もなかなかシブイ演技(一人で逃げるのかよ)を見せてくれているのに。ユダヤ人が被害者一辺倒ではないパレスチナを知ってしまうと楽しむのが複雑な一編、あっちで5月に最新刊、Pay Dirtが出るんだって。2024/03/31
くるみみ
18
昔からヴィクが痛めつけられた後の回復過程が好きなんだけれど年を重ねているのに相変わらず順調に回復してメンタルも元気なところがまあ物語だからなぁと思い、昔はちょっと私の憧れの気持ちもあったんだなと省察。それはヴィクの頼もしい友達でもあり協力者でもあるベス・イスラエル病院のロティやマックスやシナゴーグの設定を微妙に思えてしまう現在の社会状況にも繋がって、昔のように素直におもしろい!とは感じられなかったけれど過去からの私がやっぱヴィクの優しさとタフさ最高じゃん!と評している。2024/05/03
Masa
10
読了。V•Iって結局いまいくつ? と思いながら読みました。なんかいつも忘れてしまう(頭のなかではいつまでもキャスリン・ターナー)。今回も手に汗握る。プロットが良く考えられていた感想で謝辞を読んでなるほど、と。最近の作品の中では結構好きな方かも。ミスタ・コントレーラスがすごい好き。もう少し登場してもらいたかった。とても面白くて一気読みでした。2024/03/25
いっこ
4
かなりの年齢になっているはずのヴィク。日ごろの鍛錬で相変わらずタフなのは安心できるが、それでも一抹の不安を抱えながら読み続けた。最新技術や強力な人脈が、体力をカバーしているようだ。コーニーの凶暴さの理由が判明するのだが、この都市はこういう風潮をいつまで引きずるのだろうか。一つ気になったのは、「ニッサンのレクサス」という表現。わざと間違えたのか?ヴィクの愛車はマスタング。日本車なんてどれも一緒と思っているのかしら。2024/04/23