内容説明
ホームレスの元歌姫リディアが失踪し、その行方を追うヴィクの元にバーニーの友人レオが殺されたという情報が入る。犯行現場は、リディアが住処にしていた高架下近くの公園。犯人の姿をリディアが目撃しているかもしれないと考え、捜索を続けるヴィクだったが彼女の前にまたしても謎の男クープが現れる。彼はレオ殺しの犯人はシカゴの経済を動かす大物だと示唆するが…“V・I・ウォーショースキー”シリーズ第二十作。
著者等紹介
パレツキー,サラ[パレツキー,サラ] [Paretsky,Sara]
1947年アイオワ州生まれ、カンザス州で育つ。現在はシカゴ在住。1982年に(V・I・ウォーショースキー)シリーズの第1作『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同ダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。2011年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のグランド・マスター賞に輝いた
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
55
後半カンザスに移動してから話は前半以上に政治的になりぶっそうになる。シカゴで起きている殺人事件と、カンザスでリディアが体験した銃乱射事件。毎回危ない目に遭いながらよくトラウマにならないなあ、めげないなあと驚かされるが、そのがむしゃらなところが人気なのだろう。私も、ついつい読んでしまうし。2024/11/05
tom
21
返却期限が迫っているので、せっせと読み続ける。上巻のコメントにも書いたけれど、パレツキーおばさん、そのお年で、これだけテンションの高い物語を書くものよとひたすら敬意。銃乱射事件と大量殺人、そこに隠された陰謀と上級学者や官僚のつながりと金銭欲、これをからめてヴィクは走る。オモチャのピアノから出て来る音楽が気になって調べてみた。グリーグの白鳥はEn svane Op.25-2らしい。この曲がどんなふうにオモチャのピアノからでてきたのか、これが謎として残る。パレツキーさん、音源を出してないかな(笑)。2023/03/07
kyoko
19
カバーにあるように、今回の助演賞は預かった犬だなあ。ちょっと寂しそうだったけどすごくいい子だった。ヴィクは今回も満身創痍、ズタボロになって頑張った。後半、特に終盤にかけての疾走感はさすがだった。年を取ったけどまだまだ元気。このシリーズを読むと元気をもらえる。2022/12/18
Mc6ρ助
15
若竹七海さんの葉村晶と双璧をなす(日本だけ?)入院探偵、パレツキーさんのV・I・ウォシォースキー、久しぶりにしっかり入院するは、人を入院させるは忙しないことこの上ない。『ほぼすべての事実をつかんだが、証明ができない。(p320)』『「つまり、金持ちが従う法律と、われわれ庶民が従う法律は別ってことね」(p351)』悪人共を刑事告発することは出来なくても、虐げられた人たちがさらに加害されるのを止められたことを喜びたい。さあ、未訳はあと一冊・・。2022/12/10
chocoうさぎ
5
カンザスでの過酷な調査が続く。シカゴの公園とチリの鉱山と作家エクトルの関係は、大手弁護士事務所と大手メディアはそれにどう絡んでいるのか、エクトルの恋人でアーティストのリディア、彼女の支援者クープの行き先は、と謎がどんどん膨らみ、朋友マリが襲われ生死の境を彷徨い、ヴィク自身も狙撃されと盛りだくさんの後半だった。現代の司法制度の闇も深く、南米の政変や貧富の差の問題もアメリカの問題も現代は相変わらず悩ましい。そんな中、果敢に調査するヴィクは相変わらずスカッとカッコいい。次回作が既にあるようで、そちらも楽しみ。2023/06/08
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