内容説明
事件の捜査を進める中、ヴィクはリノの妹とともに謎の男たちに襲われてしまう。傷を負った彼女はボロボロになりながらも自身の追う殺人事件と失踪事件が互いに関係している可能性に思い至る。そしてそれらを結びつける鍵を握っているのは、彼女の元夫ディックだった!彼の周辺を調査していくうちに華やかなシカゴの街の裏に潜む巨悪の姿が見え始め…。複雑な事件に立ち向かうヴィクの雄姿を描くパレツキーの会心作!
著者等紹介
パレツキー,サラ[パレツキー,サラ] [Paretsky,Sara]
1947年アイオワ州生まれ、カンザス州で育つ。カンザス大学を卒業後、シカゴ大学で政治学の博士号を取得し、以来シカゴ在住。1982年にV・I・ウォーショースキー・シリーズの第1作『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同ダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。2011年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のグランド・マスター賞(巨匠賞)に輝いた
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
85
原題SHELL GAMEとは、いんちき賭博のこと。上巻でフェリックが容疑者となった殺人事件と姪で美人のリノの失踪は、V・I・ウォーショースキーの元夫で弁護士も裏で関わる株売買の詐欺行為に関わるものであった。タフで正義感の塊でもある主人公の女探偵は、シカゴの街を縦横無尽に行動し、胸のすくように見事に解決します。2018年のトランプ政権の頃の移民排斥も絡めながら、シリアの女神像が事件を結びつけるアイテムになります。1982年から続くシリーズものだそうです。面白かった。2021/12/15
NAO
59
ようやく事件の詳細が見えてくると、なんと2つの事件の根元は同じだということが分かった。さらに、その事件にはヴィクの元夫で弁護士ディックも何やら関係しているようなのだ。すでに40代、無理のきかない身体になりつつあるのに、相変わらずヴィクの調査はハードモード。襲われても怯まず、不法侵入も平気でしてしまうヴィクのバイタリティはどこから湧き出てくるのか。いつまでまその調子でいてほしいと思う一方、これ以上無理はしないでほしいとも思う。2024/10/28
tom
21
ヴィクさん、40歳なんだって。30年も昔に読んでいたときと、少しも変わらぬ年齢。登場人物も、当然のことながら同じ年齢。皆さん、大昔と同じように活躍する。この本を読んでいて、私もヴィクに熱中していた30年昔に戻ったような気分になったのでした。かのボッシュは、時間の経過とともに年も取る。コナリー本は、ボッシュも爺様になってしまったと悲しい気分を抱えながら読んでいるのだけど、ヴィク本は若返る。どうせ読むなら、若返る本の方が楽しいなあと、しみじみ思いながら読了。この本、ヴィクさんがとても元気で頑丈、楽しみました。2022/03/12
kyoko
15
今回の事件はいつにも増して複雑に絡み合っていて、これをどう裁くかと思ったらとにかく駆けずり回り、闘い続け、身体を張って解決に向かっていった。ヴィクは若返った。魅力的な人も出てきたし。この調子ならシリーズはまだまだ続きそうだ。楽しみ。2021/10/14
Masa
11
読了。本当に、久々のV・Iでした。「ヴィクはいつまでたっても変わらない」なんて言っちゃだめです。すっかり歳とりました。当然です。でも、それがV・Iというか、このシリーズのいいところ。前にも書きましたが、ちゃんと時間が流れてる。みんなと一緒に進んでいけるんですね、V・Iに出会うと。なんと続編もちゃんと翻訳してくれるらしい。山本さんですよね? 次作もV・Iの活躍に期待です。2021/10/20