内容説明
新聞の尋ね人広告をきっかけにヴィクが亡き母親の真実を探る「追憶の譜面」、売れっ子の女性作家との確執が思わぬ事態を招く「売名作戦」、行方不明のカメラマン探しの裏に潜む謎を追う「フォト・フィニッシュ」など、人気のV・I・ウォーショースキー・シリーズをはじめ、ユーモア作品や異色サスペンスまで、著者の多彩な才能がいかんなく発揮された全10篇を収録。本邦初訳作品もまじえて贈る待望の日本オリジナル短篇集。
著者等紹介
パレツキー,サラ[パレツキー,サラ][Paretsky,Sara]
1947年アイオワ州生まれ、カンザス州で育った。カンザス大学を卒業後、シカゴ大学で政治学の博士号を取得し、以来シカゴに住む。1982年にV・I・ウォーショースキー・シリーズの第1作『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同ダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
92
初サラ・パレツキー作品。そのため、V・I・ウォーショースキーシリーズも知らなかったのですが、好みドンピシャでした!まず、「30周年に寄せて」の挨拶でV・I・ウォーショースキーが誕生した訳が秀逸。同時にハードボイルド小説や007などでの女性の扱いに感じていた違和感を言語化されてスッキリと腑に落ちました。ヴィクトリアが信条に反するなら抵抗し、勇敢で義理堅い性格になったのはドロシーお母様があったからだと言うのが「追憶の記憶」から分かるのが初めての人でも嬉しい驚きでしたね。そして小さい頃からそんな性格だったのか。2018/10/22
豆乳くま
15
久しぶりのV.Iシリーズ!どれ位久しぶりかというと◯十年ぶり。海外物しか読まない時があったの。ずっと追いかけて読んだな。私はおばさんになってもヴィクは変わらないな。嬉しい。それはヴィク最初の事件からそうだったのか。なんだかとても嬉しい。2012/10/25
DONA
9
ヴィクシリーズは、外れの無い面白さでした。他の短編は、意外な結末があったり、不思議な作風の物もありました。他の作品も嫌いではないですが、やっぱりヴィクシリーズが良いな・・と改めて確認できる感じでした。特にヴィクの最初の事件が面白かったです。2012/06/03
niaruni
8
本には読めただけで幸せ、という本がある。自分にとってはヴィクのシリーズがそれ。長かろうが、短かろうが、その人が出てくるだけで嬉しい。2012/06/14
sine_wave
7
V・I・ウォーショースキーシリーズではなくて短編集。探偵になる前の「V・I・ウォーショースキーの最初の事件」は性格が良く出てて面白い。すんなり読めたのが「分析検査」。「ポスター・チャイルド」にはウォーショースキーへのピッタリの性格分析がある。2017/10/21