内容説明
英国最大の避暑地ブライトン。光学器械店を営むモスクロップは、海岸でゼナという女性に一目惚れし、やがて彼女と近づきになる。ある朝、水族館で女性の片手が発見された。地元警察はスコットランド・ヤードに応援を求め、クリッブ部長刑事とサッカレイ巡査が駆けつけ捜査を開始する。一方、ゼナを見かけなくなったモスクロップは、彼女が殺されたのだと思い警察に赴くが…英国ミステリ界を代表する著者の初期の話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayah Book
19
古き良きイギリスを舞台にしたクリッブ刑事シリーズ四作目。前半は海辺で避暑を楽しむモスクロップという男の描写が延々と続くのだが、この男は双眼鏡で他人を覗くのが趣味のちょっと変態の男で、美人の人妻を見つけて追い回すのだが、この前半がとても面白い。自分では紳士のつもりなのだが、やってることは立派なストーカー。しかし、人妻に危害を加えるつもりなんかはなく、奥手なところが中々キモかわいい。後半は事件が起きて謎解きになるのだが、モスクロップの出番ががくんと減ってしまったのが残念。2023/07/26
J・P・フリーマン
10
一部が光学器械店の経営者モスクロップの視点で事件が起きるまでの展開が語られ、二部でクリッブ警部が登場して捜査を行うという構成。一目ぼれした女性ゼナとその家族に粘着するモスクロップがひたすら気持ち悪い。一部の半分くらいは彼の自己弁護と妄想に費やされていると思う。クリッブ警部が登場してからが面白くなってきます。2020/04/25
DEN2RO
2
二つの殺人が起こります。前者が後者を呼び起こし、その動機の解明がミステリのポイントになっています。最初の殺人までで全体の4割のページが費やされます。刑事の登場もそれからです。掟破りかもしれません。その退屈さに耐えていけば、後半の展開が感慨深いものになるはずです。2008/04/05
Jimmy
2
若干、主人公に感情移入していた自分が皮肉な話。そこそこ面白かったです。2009/10/29
madhatter
2
プロットは単純、トリックもないに等しい…と思っていたら、終盤に起こる第二の殺人でガチガチのハウダニットになる。専門知識を要するとは言え、こちらの伏線はかなりしっかり張ってあり、悪くない出来(その分第一の殺人のユルさが残念でもあるが)。但し、本作の最大の売りは、あとがきの通り問題提起要素であろう。個人的には、犯人が○○かつ○○であることよりも、犯人の家族や、その立場からなすべきことについて考えさせられた。みんな努力はしたんだよね…しかし、早川はよくこの時期に本書を出版したな。2011/06/22




