1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
388
つい先頃『その女アレックス』を読んだばかりだったので、こちらはまたなんとも悠長な展開であることかと、最初はそのギャップに戸惑わざるを得なかった。もちろん、その実にゆったりとしたプロット運びにこそ本書の特質があるのだが。なにしろ、時代の設定は「黄金の'20年代」。しかも物語の舞台は豪華客船モーリタニア号の豪華な船内である。ミステリーとしては、不満を持つ読者も多そうだ。ここは、謎解きよりも、そうした時代の雰囲気をこそ味わいたい。イギリス風のコミカルなユーモアと共に。英国推理作家協会賞はダテじゃない。2015/01/29
遥かなる想い
98
完全犯罪を狙った主要人物が、めぐりあわせから名警部に勘違いされ、調査を開始するという本物語は、ミステリでありながら、笑いながら読めるという喜劇性も持ち合わせている。特に物語前半の人物描写には風味がきいており、ミステリによくある読んでいて誰かよくわからなくなって、カバーの登場人物チェックをする…ということがない。綿密に計算された筋立てと、意外性、喜劇性などが見事に融合した良質なミステリであると思う。2010/05/14
NAO
64
このミステリの特徴は、思い込みの強い個性的な登場人物たちと、豪華客船。主人公は第一次世界大戦中魚雷で沈没したルシタニア号の生き残りで、事件現場も船の中、かつて本物のデュー警部が犯人を捕まえたのも船の中。そして、主人公以外のルシタニア号の生き残りが数名乗船していてキーパーソンとなっている。思い込みの強い者たちの言動に呆れ返るしかない、ミステリというよりコメディというべき作品。2022/11/03
セウテス
64
この作品は、まるで映画を観ている様だ。それぞれの場所でそれぞれの登場人物が、背景説明と供に紹介される。やがて彼らは運命に導かれる様に、ポセイドン号にジャンボジェットに、ある時は高層ビルに集まるのだ。今回は大西洋横断豪華客船であり、チャップリンが活躍する1920年代だ。主人公はこの客船で妻の殺害を試み、全くの別人に成りすましていたのだが、かの有名なデュー警部に間違われ、その殺人事件の捜査を依頼されてしまう。しかし殺された女性の遺体は、妻ではなく別人だったのです。倒叙ミステリであった筈が、いつの間にか→2015/08/18
goro@the_booby
61
妻を殺害するため同じ船に乗り込んだのだが、有名な警部の名前を騙ったため夫は別の殺人事件を捜査する羽目になってしまう。これは初心な愛人も悪い女だわ~。掛けた梯子を外された偽のデュー警部は犯人を挙げて無事下船することが出来るのか大西洋横断の豪華客船のミステリーはピーター・ラブゼイの代表作の一つじゃないでしょうか。2023/02/01
-
- 電子書籍
- ケモノギガ(10) サイコミ×裏少年サ…