感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
48
「有栖川有栖の密室大図鑑」紹介本。チョコレート工場が休みアイスの売上が寒暖計とうなぎ登りになった夏、鐘塔で殴られて気絶した企業経営者は大理石の彫像で押し潰され死んでおり、現場は砕けた大量の破片で塞がったせいで密室殺人となっていた。「いや、上手く行くんかーい!」とある意味一読の価値アリなツッコミ確実バカトリックがここに!有栖川さんのいう豪快密室がとんでも過ぎて内容が吹っ飛んだため、犯人が「こいつ誰?」状態になるのはご愛嬌?2021/10/30
雪紫
45
再読。初読時は忘れてたけど犯人、それなりに出番あったな。やっぱりこの密室トリックは再読でも突っ込みたくなる(それゆえに一読の価値アリなのは変わらないけど)。・・・やっぱり日本であまり邦訳されないのって、この類のトリック期待されてたせいなんだろうか?とりあえず、今年の夏もチョコレート工場が休みアイスの売上が寒暖計とうなぎ登りになった夏です。 2023/08/25
本木英朗
15
英国ミステリの伝統に現代性を加え、知的ユーモアをちりばめた独自の作風を築く期待の女流本格派のひとりである、キャサリン・エアードの最初の作品が、これである。俺は2001年に一度買って読んだので、今回で2回目か。記録的な猛暑が英国を襲った日、ロンドン郊外のランダルズ・ブリッジで異常な天候に劣らぬ怪事件が襲った。教会の鐘塔で、倒れて砕け散った巨大な石造の下から、男の腕が突き出ていたのである……という感じで進むのだが、全然解けなかったよ、うん。いやー、すごかったよねえ。また10年後くらいに読もうと思う。2019/10/13
平田凡斎
4
英国ではクリスティに並ぶ女流推理小説作家で有名なキャサリン・エアードのスローン警部シリーズ6作目。伏線の張り巡らし方もキャラクターの立ち方も最後の畳み掛け方も標準以上だが、何と言っても常にユーモアを忘れない文体が一番の魅力。数ページごとにクスクス笑ってしまって図書館ではとても読めないだろう。個人的にはある二人の登場人物の緊張感から一転した心温まるやり取りが気に入っている。血が通っている会話を読むのはいいものだ。2013/12/05
ホームズ
4
『有栖川有栖の密室大図鑑』に紹介されていた作品。有栖川有栖も書いてましたがちょっと薄味のミステリって感じですかね(笑)密室殺人のトリックも面白いとは思いますが、実際にはどうなんですかね〜(笑)2009/03/15