内容説明
1890年代から20世紀初頭にかけて全世界を魅了し、その後の探偵小説の源を作り名探偵の代名詞となったシャーロック・ホームズ。そのホームズが、現代の警察機構のなかにコンピューターとなって甦ったら…ホームズにも解けなかった密室の謎をワトスンが解いたら…ワトスン夫妻の家庭生活はどんなだったか…稀代の天才に注ぐ現代作家たちの熱い想いは、さまざまな魅力溢れる趣向を編みだした。キング、ラヴゼイをはじめとする英米の著名なミステリ作家が、不滅の探偵とその生みの親に捧げる痛快無類の15篇。生誕百年記念の書き下ろし傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
48
一人シャーロック・ホームズ祭り第27弾。ホームズ生誕100周年を記念して編まれたパスティーシュ短編集の下巻。様々な作家さんが執筆していて、どれもこれもホームズ愛にあふれた傑作ぞろいだったが、「ジャックの建てた家」が??が点灯してしまう内容だった。読解力不足かな?しかし、ホームズものは飽きないなぁ。★★★☆☆2017/10/30
鐵太郎
11
良質のホームズ・パスティーシュの下巻。上巻よりちょっとどうかな、って感じ。「マフィン」が可愛いけど、この子の未来がワトスンが思うようにはならないと思うな。「コンピューター」はネタの練り方が不十分かな。「ジャック」は、シュールすぎて全く理解不能。つまらん。「ワトスン、事件を…」はレストレード抜きならありだと思うけど、警官同道でそんな事したらいかん。総じて上巻を含めれば水準以上のパスティーシュ、だな。2018/10/08
本木英朗
10
『ホームズの新冒険』下巻である。これもやっぱり7回目くらいかな。ピーター・ラウゼイは「奇妙なコンピューター」の中で、ホームズが現代では警察と協力して犯人を逮捕するという側に付いた。そこで犯罪者はモリアーティというコンピューターを使い出し……という話。キングは「ワトスン、事件を解決す」という話で、レストレードはもちろんのこと、ホームズすらこの事件ではワトスンに負けるようで……って感じ。他にもいろいろあるのでみんな見ようぜ。いやー、本当にホームズはすごいよ。2019/04/10
ホームズ
9
ピーター・ラゼヴィ、スティーブン・キングは知ってますが後は聞いたことありません。とりあえず可もなく不可もなくというような短編集でした。下巻は少しホームズのキャラクターを変えてみたりしてるのが多かったかな。あまり好みではないですね。2010/09/18
ぽま
5
下巻もまた力作揃い。上巻よりも異色作が増えている点は好みがわかれるか。気に入った作品は、『シャーロック・ホームズとマフィン』と『ワトスン、事件を解決す』。前者は、正典中では名前すら出てこない221B下宿のメイドに焦点を当てており、当時のこの階級の困窮した生活状況が興味深い。後者はスティーブン・キング氏による作品で、ホームズではなくワトスンが事件を解決するのだが、その結末は…。余談だが、本書あとがきのガードナー氏はモリアーティのパスティーシュを出しているのだが、絶版により中古で5桁のお値段がついております…2012/08/28