ハヤカワ・ミステリ文庫
百万に一つの偶然―迷宮課事件簿〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 421p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150725525
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

男は恋人を奪った友人を殺した。目撃者は友人の飼い犬だけ。犬を始末すれば完全犯罪成立のはずだった。死んだ犬が警察に通報さえしなければ…信じられないほど些細な手がかりが完璧な犯罪計画を覆す表題作他、幸運な偶然と刑事たちの冴えた推理が謎を解き明かす9つの名篇。スコットランド・ヤードのあらゆる課が持て余した事件を引き受ける世に名高い迷宮課の事件簿を一挙公開!クイーン大絶賛の倒叙ミステリ短篇集。

著者等紹介

ヴィカーズ,ロイ[ヴィカーズ,ロイ][Vickers,Roy]
1888年イギリス生まれ。デイヴィッド・ダラム、セフトン・カイルなどの別名義を持つ。オックスフォード大学ブレイズノウズ・カレッジに学ぶ。週刊大衆誌の記者として犯罪実話などを書き、『ノヴェル・マガジン』編集長を経て専業作家に。1921年にThe Mystery of the Scented Deathでデビュー。倒叙短篇“迷宮課”シリーズ第一作「ゴムのラッパ」は『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』に掲載され、クイーンのお墨付きを得た。65年没

宇野利泰[ウノトシヤス]
1909年生、1932年東京大学独文科卒、1997年没、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

39
迷宮課の事件簿の二作目です。このシリーズと言うか、作者のロイ・ヴィカーズは倒叙型のミステリーの第一人者です。『フレデリック・ダヴの大仕事』と言う、飛んでもなく面白い作品がありますが、この迷宮課の事件簿はエラリー・クイーンが絶賛した事でも有名です。最初に犯行場面が描かれ、スコットランドヤードのジョージ・レイスン警部がどの様に犯行を行ったのか(ハウダニット)を明らかにして行きます。そこには、きちんとした論理にもとずく推理があり、読者は犯人となり、どこをミスしたのかハラハラ、ドキドキしながら展開を待つ作品です。2014/07/26

あきあかね

18
 ある本でおすすめのミステリーとして紹介されていて手に取った。 犯人が初めから明らかな倒叙型であり、古畑任三郎シリーズのように、ある手がかりから次第に犯人が追い詰められていく様子にハラハラさせられる。特に本作は、被害者が犯人に対して行ってきた過去の悪行により犯人への共感があるからか、一層焦燥感が増す気がした。 最後の1頁まで分からない謎解きも秀逸だ。被害者と共に殺された被害者の飼い犬がこの世に遺した痕跡が、時を経て犯人を暴くという発想は今でも斬新だ。⇒2023/09/24

Brooklyn0320

7
小道具の使い方の妙が印象的な倒叙形式による短編集です。オクラ入り事件担当部署である「迷宮課」のレイスン警部が、現場に残された小道具のちょっとした矛盾から、真犯人の施した工作を暴いていくのが基本パターン。TVドラマ張りに一般受けしそうな設定ですが、一編ごとの枚数がそれほど多くないこともあり、その辺の描写に頁を割かず、あくまでもロジック中心の作りになっています。収録されている作品の出来に若干ばらつきがありますが、総合的に見てなかなかの佳作だと思います。このシリーズの特色が色濃く出ている、表題作が白眉。2013/06/24

elf51@禅-NEKOMETAL

6
三大倒叙推理は昔読んだが,その次は何が?というので読んでいるシリーズ第2作。いろいろな形で楽しめる。犯罪者の心理を読むというより,伏線があって,最後に一発で破綻するという作風である。なので,手懸かりを探しつつ,推理して読むと,外れたときにあ!となって面白く読めると思う。タイトルの「百万に一つの偶然」が有名だそう。マスチフ犬という珍しい犬が登場する。でかい闘犬らしい。2021/10/08

kokada_jnet

6
世界大戦間の、イギリス中産階級の普通の暮らしぶりの描写が、身も蓋もないリアルさで。ロジックは弱くても、読み物として面白い。マスチフ犬は、この頃、非常な希少種だったのね。2014/06/15

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