ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 迷宮課事件簿 〈1〉

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ハヤカワ・ミステリ文庫
迷宮課事件簿 〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 365p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150725518
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

60
迷宮課事件簿シリーズ第1弾。倒叙ミステリの代表格の作品です。同じ倒叙ミステリの「刑事コロンボ」と大きく違う処は、主人公が犯人であるという事です。コロンボでは犯人のミスをどの様に突くのかが楽しみであり、推理すべき重点です。本作はまず犯人の人物像をしっかり説明し、それから事件さらにその後の犯人の生活を描いてます。どうにもならなくなり、迷宮課に事件が廻って来た後に、ちょっとした事から解決に到ります。何故犯人は、捕まるきっかけになる様なそんな事をしたのか、犯人であるが故の心理描写と鮮やかな幕切れを楽しむ名作です。2017/04/19

yukaring

51
倒叙ミステリ短編集で時々読み返すお気に入りの1冊。ロンドン警視庁の<迷宮課>は他の課が捨てた証拠品や証言などあらゆる物を引き受けるよろず屋のような部署。最初の意味のわからない証拠品はおもちゃのゴムのラッパ。発見から半年以上後になぜか別のゴムのラッパ絡みの盗難事件が起こる。新婚早々の花嫁が無惨に殺された事件とどう結び付くのか?全ての話が倒叙形式で犯人目線だが「まさか」という一見検討違いの手がかりから真相に迫ってくる<迷宮課>には犯人もタジタジ。10話どれも面白くエラリー・クイーンによる『序』もふるっている。2022/09/19

藤月はな(灯れ松明の火)

27
父と観ていた「刑事コロンボ」を思い出させる倒叙型警察ミステリー。同時に犯人の容易く、区分できない心理をも抉り出す心理学小説とも言えます。ゴム喇叭、香水瓶、カーネーション、嗅ぎ煙草入れなどの小物から犯人へ肉薄していく、人情派でもある迷宮課の捜査官さん達に敬礼!特に「赤いカーネーション」での「内向的な人間にとっては、自己脚色は欠くべからざる」などという文章に込められた皮肉は痛烈です。「盲人の妄執」はグランギニョルにもなったルーヴェルの「暗闇の接吻」や江戸川乱歩の「盲獣」を連想させます。2013/04/01

elf51@禅-NEKOMETAL

6
倒叙推理というと三大倒叙推理以外にこれはというのがあるのか?と捜していたところ,ロイ・/ヴィガーズが短編で多く書いているということで読んでみた。短編ゆえ,殺人者の心理のゆれを深掘りするというところまではいかず,最後の一発で逆転されていく構成。だが,書かれなかった登場人物の思惑はこうではなかったかと逆に推理が働き,ふ~ん,となるような。クイーンが認めただけのことはある。いろいろなパターンがあって楽しめるかと。2021/09/22

Radwynn

4
到叙形式なので、読み手は「何が起こったか」を既に知っており、捜査の展開を追いかけることに。が、この捜査が…え?そこなの?!という、思いもよらぬところから始まります。「あらゆる部署から切り捨てられた情報や証拠物件を集め保管し、そこから事件の糸口を引き当てる」それこそが「迷宮課」の迷宮課たる所以。日本のTVドラマ『おみやさん』(石ノ森章太郎原作)はこの作品の本歌取りなのでは、とも思うんですが…同じような発想は洋の東西を問わずあるものなんでしょう。『おみやさん』『ケイゾク』系のお好きな方には是非。

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