内容説明
フレッド・フィッチは詐欺にあっていつも騙されてばかり。うだつもあがらず、女性にももてない。そんな彼のもとに叔父の遺産が転がりこんできた。そのとたん、見も知らぬ親戚に金をせびられ、小悪魔的な女や荒くれ女にいいよられる。さらには遺産を狙う暗殺者に命まで狙われるはめに！歩けば不幸にぶちあたる、カモられ男フレッドの運命は？アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞したお墨付きのお笑いミステリ。
著者等紹介
ウェストレイク，ドナルド・Ｅ．［ウェストレイク，ドナルドＥ．］［Ｗｅｓｔｌａｋｅ，Ｄｏｎａｌｄ Ｅ．］
１９３３年生まれ。６０年代からユーモア・ミステリのヒット作を次々と発表した。『弱虫チャーリー、逃亡中』（１９６５）を皮切りに、スラップスティックな味わいの『我輩はカモである』（１９６７）でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞し、『ホット・ロック』（１９７０）をはじめとする泥棒ドートマンダーとその愉快な仲間たちが活躍するシリーズを発表。全米を笑いの渦に巻き込んだ。また、リチャード・スタークの名でハードボイルドやクライム・ノヴェルも発表している
池央耿［イケヒロアキ］
１９４０年生、国際基督教大学教養学部卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコベス
36
いつも騙されてばかりの馬鹿正直な男フレッド。突然叔父の遺産が転がり込むが、叔父は詐欺師で殺害された事が判明。いつの間にかフレッドの周りに胡散臭いやからがすり寄って来て、しまいには命を狙われる。フレッドは身を隠しながら叔父の死の真相を探る。ウェストレイクらしい気楽に読めるドタバタコメディを再読。疑うことを知らないお人好しの主人公フレッドによるてんやわんやのスラップスティックなストーリーが楽しい。2020/04/21
Panzer Leader
26
自分にとっては初のドートマンダー以外のウェストレイク作品。自他共に認める生まれながらのカモられ人生を送って来た主人公にある日叔父の遺産が転がり込んできたからさあ大変。ドートマンダーの原型ここにありで、肩を凝らさず気楽に読めるユーモア・ミステリー。2016/11/22
空猫
20
お気に入りさん達のレビューから。初ウェストレイク。詐欺の被害者リストってのがその業界に出回っているとか。騙されやすい人って確かにいるけれど。この主人公フレッドは寸借、寄付、罰金…とありとあらゆる騙され方をそれこそ日常的にされている冴えない男。前半はフレッドのアホらしさと思い込みが続き展開も予測できなかったが、後半からどんどん登場人物が増えたかと思ったら一気にひっくり返された。こんなに騙されても人を信じ続けるのだな。男気のあるいい奴じゃあないか、フレッド。評判通り痛快なユーモアミステリだった。2018/12/05
bapaksejahtera
9
随分大胆な邦題をつけたと思うが、私の趣味としてはこの作品から30年前のマルクス兄弟の映画には遥かに及ばない。詐欺に引っかかりやすく、そのことで警官とも友だちになった男が、会ったこともない叔父から大金を相続する。この主人公を襲ってくる悪党から逃げ回るドタバタがこの小説の眼目で、結局は余り血も流れずめでたく終わるのだから不満は言えない。但したまたま読者である私の趣味性向ないしはタイミングに合致しなかった。2021/07/02
naoco
8
ドートマンダー以外の作品は初読でしたが、ウィットに富んでクスリと笑える作風はそのままで楽しく読めました。みんな憎めない！2017/09/12
