内容説明
目の前の世界をがらりと変えてしまう、不思議で魅惑的なお話を読みませんか?「死の淵にある男が知人の医師に勧められた驚愕の最後」「従順な妻が横暴な夫から受けた仕打ちの行方」「詐欺牧師による狡猾な手段とその結末」「不倫妻が夫を騙す意外な方法」「養蜂家がとった恐るべき行動」―淑女の口づけとみせかけて悪魔の噛みつきのように刺激的。読書の愉悦にどっぷり浸らせてくれる短篇11篇をご賞味あれ。新訳決定版。
著者等紹介
ダール,ロアルド[ダール,ロアルド] [Dahl,Roald]
1916年英国南ウェールズのカーディフ生まれ。1946年に最初の短篇集『飛行士たちの話』を発表。1953年には『あなたに似た人』を発表しアメリカ探偵作家クラブ賞短篇賞を受賞した。その後も短篇集を発表し、短篇の名手として知られる。1990年死去
田口俊樹[タグチトシキ]
1950年生、早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
363
★★★★☆ ブラックなオチの作品11作が収められた短編集。 有名な『あなたに似た人』より粒が揃っているように感じており、大きなハズレはない。再び登場のクロードが詐欺師に騙されるも想像通りのオチが古典落語のような『牧師の愉しみ』、ホラーテイストの『ロイヤルゼリー』、オチが分かると切なくなる歴史の一場面を描いた小編『始まりと大惨事』、個人的に最も奇妙な味がした『勝者エドワード』辺りが気に入ったが、他の作品も秀作揃い。『豚』だけはひたすら不条理で悲しく、読んでて辛くなるが…2024/01/08
ヴェルナーの日記
191
ダールの短編作品11篇によって編まれた1冊。児童文学作家としてのダールの印象が強いが、それとは違った一面を書き表した作品が収録されている。ただ、ブラック・ユーモアな感覚は健在で、その威力は止まることをしらない。自分的には『女主人』(”The landlady”)『ウィリアムとメアリー』(”William and Mary")『天国への道』(”The Way Up to Heaven")『牧師の愉しみ』(”Parson's Pleasure")とかは俊逸な作品。2017/08/19
ケイ
136
イヤミスってこういうのかな。この表紙のピンクとタイトルからは乖離してる、そんな話が詰まった短編集。今日はミュリエル・スパークの辛口の短編集も読んだが、私はスパークの方が好みで、ロアルド・ダールはあえて読みたくなる内容ではなかった。2018/01/12
アナーキー靴下
83
奇妙な味海外読書会のため、初めて読んだロアルド・ダール。映画「チャーリーとチョコレート工場」のイメージが強いからか、ティム・バートン映画の雰囲気で脳内に再生される。ストーリー展開も情景描写もコントラストが強く、独特の雰囲気に繋がっている気がする。関係ないけどバットマンのヴィランズ達のストーリー(いかにして悪の道を進むことになったか)が昔から好きで、悪人でもないのに自分の条理と世界の条理がずれただけでクレイジーになるのが面白くて、バットマンなんか出て来なくて良いのにと思っていた。そんな気持ちが満たされた。2021/05/02
巨峰
72
非常に質が高い作品が揃っていました。これが選集ではなくて通常の短編集なのが驚き。しっかりと落ちがついていて、端正な短編たち。でも、ブラックなユーモアがそんなに好きではないので、好みかといえばそうじゃないけど。でも満足感がある作品集ではあります。2021/06/03