ハヤカワ・ミステリ文庫<br> ロアルド・ダールの幽霊物語

ハヤカワ・ミステリ文庫
ロアルド・ダールの幽霊物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 411p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150712532
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

幽霊物語の目的はぞっとさせることにある。読者をぞくぞくさせ、不安な気持にさせなければならない―あるTVシリーズの企画のため、原作となる幽霊物語を選定することになったロアルド・ダールは、まずこのような基準を設けた。そして、この基準を厳格に守りながら、古今の作品を読みついでいった。諸々の事情で企画そのものは中止となったが、ダールの手もとには、14篇の宝石が残った。有名無名を問わず、本物の幽霊物語だけが放つ妖しい光。闇の向こうの恐怖が、あなたの安眠をさまたげずにはおかない。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

69
ロアルド・ダールが選ぶ幽霊物語アンソロジー。「幽霊」を題材にした物語というだけあり、背筋を凍らせるようなものからジェントルゴーストストーリーに寂寥感たっぷりなものまで、幅広く収録されている。「手の幽霊」「ブライトン街道にて」「上段寝台」といったアンソロジーに必須な作品も収められているが、初読の作品が多くその点でも編者の目配りが効いていると思える。気に入ったのはとても優しい「遊び相手」や奇妙な寂寥感が付きまとう「落葉を掃く人」、流石のエイクマン「鳴りひびく鐘の町」かな。幽明境を異にする交流。楽しめました。2019/09/02

内島菫

30
表紙と数編の物語に覚えがある気がするので、再読ではないかと思うが、一度目に読んだ体験自体が幽霊になってしまっている。複数のゴーストストーリーの作家が、F・マリオン・クロフォードの「上段寝台」がこのジャンルの作品としてベストと言っていたので期待したが、私はA・M・バレイジ(ExープライベートーXと同一人物)の「遊び相手」と「落葉を掃く人」の雰囲気(孤独と優しさ)が好きだった。以前読んだエイクマン『奥の部屋』がとてもよかったので、彼の短編「鳴りひびく鐘の町」にも期待したが今回は色々な意味で少しうるさく感じた。2017/05/15

藤月はな(灯れ松明の火)

21
700話にも及ぶ幽霊譚を読んだロアルド・ダールが選び抜いた話達。ポーの「ウィリアム・ウィルソン」とも言えそうな「W.S」、悔悛の人生の締めくくりの笑顔が印象的な「街角の店」、ランプの灯りのように温かい優しさがある「遊び友達」、因果応報な「落ち葉を掃く人」、背筋がぞっとする「上段寝台」。特に強烈だったのは「あとにならないと」。ある意味、与えられた環境に縋りつくだけで物事に疑問や関心を持たなかった妻、メアリーに対する超越した現実のしっぺ返しともいえるラストが怖さを増しています。2012/10/01

Ribes triste

14
ダールによる幽霊譚集。ダールのこだわりぬいた選考基準が、この本の独特の雰囲気を作っています。やみくもに怖い話ではありませんが、どの物語がもひとすじ縄ではいかない。展開に驚いた「遊び相手」が秀逸でした。なかなかに面白い本です。2019/02/28

ワッピー

13
ダールが選り抜いた古典的ゴーストストーリーのアンソロジー。悠揚たる筆致で恐怖が迫り来る古き良き作品群です。ワッピー的には不思議な邂逅や頑なな中年男の心境の変化、超常体験のあとの配偶者の密やかな変化といったテーマがお気に入りです。また珍しく力の強い怪異を描いたいくつかの作品も楽しみました。作家に迫るストーカー「W・S」、養子に迎えた少女に見えるもの「ハリー」、うらぶれた骨董店の呪い「街角の店」、未来をのぞいた男「地下鉄にて」、交差する縁「クリスマスの出会い」、海の精と漁師一家の戦い「エリアスとドラウグ」、⇒2021/09/10

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